【祝】 衝撃の復活!! おかえりなさいEF6627

2015.6/16

 ついにこの時がやって来た! 昨年秋頃より実質休車状態になっていたEF6627が全検を受け、奇跡の復活を遂げたというのだ。国鉄色を固持する唯一のロクロク。自身も前からその存在は非常に気になっており、いつかその姿を被写体として収めてみたいと思っていたが、昨年、突如として運用離脱のニュースが流れたのを機に、その欲求を諦め、そしてそれすらも忘れていた2015年6月。まさに不死鳥の如く蘇ったというのだ。聞けばすでに吹田EF66の超ロングラン運用に後輩の66と共に元気に入っているという。西は幡生、東は黒磯というとてつもなくスケールの大きな運用であるので、休みと天気、そして首都圏にやって来る運用を毎日チェックしていると、どうやら今夜、山口県の幡生から黒磯まで5070レで上京してきているらしい。さもすれば仕事が休みである明日、EF6627は午前中の3064レに入ることが約束されている。天気は曇り時々雨の予想。でもこのくらいならば撮るしかないだろう! 早速出発準備を整え、深夜の東北道を北上した。3064レは黒磯9時台の出発なので別に夜行で走らなくても早朝出発で十分間に合うのだが、はやる気持ちを抑えきれず、すぐに撮影地として思い浮かんだ蒲須坂に急行したいという本能のようなものに駆り立てられてこの時間選んだ。佐野SAで佐野ラーメンを食し、目的地の蒲須坂に近い矢板IC一つ手前の上河内SAで仮眠することにした。蒲須坂へはこの上河内SAに併設のスマートICで下りれば最も近道なのだが、SAを利用してしまうとここでは下りられない構造のため今日はここで終了。朝を待つことにした。

 翌朝、正直あまり寝付くことが出来なかった。まだ6時過ぎなので急げば「北斗星」か「カシオペア」に間に合う時間だが、本日は「カシオペア」ということだったので、ニーナ1本に絞ることにした。そして空模様は梅雨の中休みなのか予報に反して見事なド快晴だ。憧れのニーナ、そしてド快晴。絶対に失敗できない勝負だ。そう自分を奮い立たせていると今年1月の天理臨の撮影地での悪夢がフラッシュバックしてきた。現在時点では夕べ喰った佐野ラーメンは消化されきっているようだが、あと3時間後に産まれるようなことがあったら一大事だ。そう懸念してSAのトイレで無理やり難産でコトを済ませ、いざ撮影地に向かう。

 通過1時間前、現地に到着するとすでに先客が7名ほど。築堤への駆け上がりをあおっていた。少し離れたところにセッティングし走ってくる列車を使って確認作業をする。が、あまり貨物に詳しくないので3064レはどのくらいの編成長でやってくるか想像が付かないので焦点距離選びに大いに迷った。しかしここは大幹線である東北本線。まして3064レは北海道と首都圏を結ぶ長距離高速コンテナなので、それ相応な両数でやってくるだろうと、少し広角気味に大胆にフレーミングしてみた。一方空はいつの間にか薄曇り。自分の落とした影が地面に現れたり消えたりとどうにも自信なさげな太陽光線がヤキモキさせてくれる。気温は30℃には届かないものの前日降った雨のせいで非常に蒸し暑い、そんな河川敷で練習を開始した。




元京葉線だろうか? 空模様もだいぶ怪しくなってきた。
2015.6/16   東北本線  片岡〜蒲須坂   EOS5D 24-105mm
  

  元はといえば曇り、もしくは雨天の覚悟で臨んでやってきたのだから薄曇りだっていいじゃないか。そう思えば気も楽になり相変わらず曇り晴れを交互に繰り返す気まぐれな空模様に合わせ、その度に露出を上げ下げして時を過ごした。やがてそろそろ通過時間となった。全員一斉にスタンバイ。緊張の一瞬だ。やがてファインダーは2灯の光を捉えた。荷はどうか!? 画面右から機関車が姿を現し、続々とその後にコンテナが続く。キッ、来た・・・フルコキだ・・・!




2015.6/16   東北本線  片岡〜蒲須坂   EOS5D 24-105mm

 一瞬顔を覗かせた弱い太陽光線を浴びながら、美しく復元された27号機は颯爽と築堤を駆け上がっていった。

 大満足だった。この機関車の復活を待ち望んだファンは計り知れないほど多いと思われる。イベントではなく、本来の仕事のため必要に迫られ新たに命を吹き込まれ、任務に就くEF6627はそれはそれは美しく輝いて見えた。また末永く活躍できることを願って今日は撤収することにする。