国鉄色祭り初登場。JR四国キハ65リバイバル急行。
飛び降りた本宿バス停。走行車線は15km 2時間半の大渋滞中。ザマーミロ。
ホームで待っているとすぐに電車はやって来た。まさかこんなとこで初めて名鉄に乗るとは思わなかった。滑り込んできた韓国の国電のような急行電車に乗ること約40分。21時30分、ついに大都会名古屋に到着した。すぐに高速バスの切符売り場に向かい、東京駅にあったものと同じ券売機で今夜発の夜行バスの切符を買おうとしたが、なんと満席の表示! THE
END・・・。もうどうすることも出来ない。いろいろ考えた末、高額な出費覚悟でサンライズ瀬戸に乗ることにした。名古屋は深夜のため停車しないので、浜松まで戻ることになるのだが、これも仕方がない。空席があるかどうかもまだ分からないが、とにかく腹が減ったので飯を食うことにした。名古屋駅をウロウロしてみると、聞き慣れぬ名物「名古屋ラーメン」という看板発見。店に入り、その名古屋ラーメンと小ライス、ビールを注文する。初めて見る名古屋ラーメンとは、極細の麺にあっさりカツオだしで、太麺好きにはちょっとツライ一品だったが、ラーメン+ライス、穀物をおかずに穀物を喰う幸せ。空きっ腹に染み渡った。腹も満たされ脳に栄養が行き渡ると、他にも夜行バスがあるんじゃねーの?という閃きが頭をよぎった。ラーメンを喰いながら時刻表を開く。あ、あるじゃん。JR系ではないため、名鉄バスセンターから23時10分に高松行きが出ている。店を出るとすぐにバスセンターに向かった。しかし掲示板にはこれも無情に満席とのお知らせがあった。ついにサンライズ決定、と思った瞬間、高松行きの欄の下に「徳島行き 空」という表示を見逃さなかった。目的地高松には直接行けないが、徳島から高松へなら2時間かからない。8時のレンタカー予約に間に合う。すぐに徳島行きの切符を購入。1時間ほど待ち、車内に入ると2+2シートでいかにも不人気路線といった風情だった。
祭り、いよいよ開幕。通過1時間前の光景。(携帯電話のカメラで撮影)
ギューンと独特の排気音で通過するキハ65。58を目慣れてきた目にはとても新鮮に映った。いいもの見せてもろうた。
2008,10/18 高徳線 阿波大宮〜板野 EOS5D 100-400mm
機材を撤収して移動開始。徳島で1時間ほど停車して今度は徳島線に入ってくるまで時間があるから、のんびりと次の撮影地、阿波加茂〜辻の吉野川バックを目指した。ちなみにこの65と58の国鉄色コンビは往年の姿を再現したとかで、58側に昭和40年代四国オリジナル装備の猫髭が再現されているのだが、この猫髭、経年劣化した車体の色のためか若干色の濃さが違っている。また見慣れないせいもあるので不自然極まりなく思え、私の撮影意欲は湧かなかった。今回のテーマは国鉄色65であるので、徳島でスイッチバックしてくるこの編成は、次の徳島線では猫髭58が先頭になってやって来てしまう。ならば後追いで写せて四国らしさを収められる所となると、加茂辻の吉野川バックしかなかった。そこを目指し徳島線沿いの国道192号を西に進んでいると、支流の川をまたぐ大きな橋脚があった。たもとの土手には何人ものテツ軍団が見える。ちょっと見物程度にその土手に立ってみた。順光ですっきりとした橋脚。猫髭58が先頭でやって来るが、一応記念に撮っておくか、と三脚で場所取りをしてから車内で仮眠した。この先、穴吹、阿波加茂と2箇所で5分停車があるので、並行する高速道路で追っかければ吉野川バックに間に合う。レンタカーに装備されていたナビで検索すると、ここで通過後追っかけすると、吉野川バックには列車より20分早く着くことが分かっていた。
やっぱり自分的には変。精悍な65に対してなんともマヌケに映って見えるのはオレだけ?
2008,10/18 徳島線 穴吹〜川田 EOS5D 24-105mm
すぐに追っかけ開始。土手にはいかにもというテツ車が10数台止まっていたが、ほとんど追っかけに走ると予測し、我がランサーは一番出口に近い場所に前向きに止めていたので、撮影後一番で現場を後にする。インターへ続く道を走りながらミラーを見ると、背後からテツ車10数台が爆走してきた。今日はETCカードを忘れてきてしまったため、キハ65にちなんで、かの急行「砂丘」のように料金所で通行券を通過授受。2つ先の井川池田ICで降り目的地の吉野川バックに到着するとすでに30人ほどが待ち構えていた。さらに追っかけ組が続々到着。自分が到着した時はよかったが、もう止める場所が無いので、国道の走行車線に止め片側通行にするヤツ。民家の敷地に堂々と止めるヤツ。この狭い路地の真ん中に駐車して通行止めにするヤツ。と、それはそれは酷い状態だった。集団心理の恐ろしさ、同じ趣味を持つ身として恥ずかしくなってくる。通過直前にはさっきの倍以上の人数に膨れ上がり、国道のトラックのクラクションを無視しながら皆、阿波池田方の猫髭先頭にレンズを向けている。後追いのキハ65狙いは自分だけだった。
まだ序の口。10分後にはさらに増える。
後追いで大正解。夕方の半逆光と65。58もいいけど65にはEF64にも似た無骨なスマートさを感じる。
2008,10/18 徳島線 阿波加茂〜辻 EOS5D 24-105mm
再び車で出発しようとすると、現場は大パニック。国道に駐車していた車が一斉に動き出し、わき道からは強引に車が出てくる。まさに無法地帯。数分間、国道192号線の機能を完全に麻痺させたテツ車は、大挙して山間部へと入っていった。自分は最後尾になりその後を追った。今度は時間がない。列車は2駅先の阿波池田ですぐに折り返し、土讃線に入る。一応調べておいた箸蔵からのトラス橋俯瞰で鉄橋を渡りながらオメガループで山を登ってくるキハ65の先頭を押さえてみたかったが、場所を探している時間はなさそうだ。では坪尻でスイッチバックの一部始終を撮ってみよう。いや、ダメだ。秘境駅として名高い坪尻は、駅に通じる車道がなく15分ほど山道を徒歩で下らなければならなく間に合わない。已む無く箸蔵付近にかかる跨線橋で駅構内を長タマで頂くことにした。望遠に付け替え構内の様子を見ると、すんごい人。あんなところでちゃんと撮れるのか他人事ながら心配しつつも列車を待った。
JR四国自慢の一線スルーを駆け抜けるので、俊足を活かし結構なスピードで通過した。
2008,10/18 土讃線 箸蔵 EOS5D 100-400mm
これにて撮影は終了。機材をカメラバックに仕舞い、車に乗り込み出発しようとすると、この近辺で撮影したと思われるテツ車らしき集団が峠を目指し疾走していった。なに!? この先どこかで撮れんの? 半信半疑でそのテツ車を追走しながら考えた。確かに坪尻のスイッチバックで恐らく撮影目的のために10分停車するが、すぐにその先はトンネルで下り勾配。列車のスピードは出るはず。果たして彼らはどこの撮影地へ連れて行ってくれるだろうか。かなりワクワクしながら猪ノ鼻峠を越え香川県側へ。どんどん峠を降り、一斉に車列は国道から脇道へと入っていった。黒川駅だった。駅に到着するとちょうど下りの特急が通過していった。なるほど一つ手前の讃岐財田で65は交換のため運転停車しているらしい。皆に倣って駅に続く階段を駆け上ると、西日が美しい築堤が目の前だった。
多分もう一生お目にかかることのないキハ65国鉄色。その勇姿を心に焼き付けて見送った最後の一枚。
2008,10/18 土讃線 黒川〜讃岐財田 EOS5D 100-400mm
最後に〆の一発がキマッて大満足だった。夕陽がきれいな讃岐平野を快走。18時前に高松に到着し無事ランサーを返却。往路の臨時出費で復路は節約しようと高松発の夜行バスで帰ろうか迷ったが、明日は午前中から仕事だったので、マリンライナー、N700系ののぞみで当日中に横浜に帰った。東海道新幹線に長距離乗るのは多分中学校の修学旅行以来で、山陽新幹線に乗ったのは初めてだった。これもいい記念になったような気がした。
1日限りの伴侶、三菱ランサーちゃん。総走行距離は212kmでした。(黒川駅前)