日本の秋。国鉄色の秋・・・(しな鉄編)
2008,10/28
 先々週のリバイバル信州撮影では、アオリで浅間山バックを頂戴することが出来たが、もう一本、午後の1往復を雑誌などでよく見る線路同レベルでのアウトカーブ浅間山バックでの撮影にチャレンジしようと思っていたところ、午後になって急に曇りだし、またその撮影ポイントも何となくは知っていたが下見をしていなかったため時間切れになってしまった。今回はそのアウトカーブ浅間山バックのためだけに高原へ飛ぶことにした。急行色の169の運用はしな鉄HPに公開されている。狙うは午前中に軽井沢までを2往復するA41運用に入った日。このA41運用以外は軽井沢までは足を伸ばさず戸倉や小諸折り返しだったり、高原の雰囲気が美しい軽井沢までやってくるのが午後だったりして、どうしても急行色がA41に入って、なおかつ空気が澄んでいて極力降水確率の低い日を選ばなければならない。あと自分の休みがかぶる日であることは絶対条件だが。
 そしてやって来た10月28日。急行色A41運用。天気は朝から降水確率0%。オレ休み!見事この3つの条件が揃い、出発を決意。前夜車に荷物を積み込み上信越道の横川SAに着いたのは午前2時半だった。シートを倒してしばし仮眠。外は非常に寒く、星も輝いている。明日は期待できそうだ!
 目覚めると見事な秋空だった。昇ったばかりの太陽の斜光線が、奇岩奇景の妙義山を立体的に浮かび上がらせている。たった3時間の仮眠であったが、この澄み渡った清涼な空気を吸うと一瞬にして心が引き締まり、撮影モチベーションがグングンと上がってくる。缶コーヒーを飲み干し出発。碓氷峠越えにかかる。高崎市街だろうか、はるか眼下に遠く町並みが煌いている。視界はおそらく100km以上。首都圏から富士山が見えるくらいの真冬の透明度と言った方が判りやすいか。落ち葉舞う碓井軽井沢ICで降りた。紅葉も1000m近い標高だけあって間もなく見頃といったところ。ヤベー日本、美し過ぎる!と感激しながら国道18号の軽井沢市街に登る道を上っていると、頭上の山の稜線上にドスンと巨大な白い布団のようなものが乗っかっているのが見えた。道は標高を上げ、ついに峠を越し、その布団の中に突っ込んだ時、思わず急ブレーキを踏んだ。そう、その白い布団の中は強烈な濃霧の中で、碓氷峠の山の稜線から霧の塊が溢れんばかりにこぼれ落ちそうになっている境目だったのだ。一転、視界100kmから10mの世界へ・・・。お天道様どころか浅間山はもちろん、前の車のテールランプも見えないほど。ん〜〜天気予報ではどこにも霧なんてなかったし濃霧注意報もなかった。でも思い出した。97年の信越線碓氷峠廃止の夏、幾度もこの地を訪れたけど、矢ケ崎を境にして曇りと濃霧であったことが何度もあった。標高高いから風が山にぶつかる、山に当たった風は山を越えようと上昇する、上昇すると温度が下がる、温度が下がると水蒸気が飽和して霧となる。考えれば当たり前だが今日はそんな日らしいので、諦めて霧の高原をテーマにしてみようか、それとも帰ろうか。とりあえずは前回撮影した浅間山バック付近の田んぼに向かってみた。



少し霧が晴れてきたがこんな程度。沿線は今まさに紅葉真っ只中。
2008,10/28   しなの鉄道   信濃追分〜御代田   EOS5D  24-105mm

 朝イチのあのテンションは音を立てて崩れ落ち、緊張感が解けると急に眠くなってきた。上の写真を撮った築堤脇の畦道に車を停め、2時間ほど眠りこけてしまった。寝ている間、すぐ脇を急行色169が3回ほど通っていたが爆睡。目が覚めても霧はほとんど晴れなかったので、少し標高の低いところで撮影することにした。御代田を出発し10kmほど下がると、すぐに晴れてきた。本当に900m以上の高原に霧がまとわり着いているといった感じだった。しかしこの辺まで下りてしまうとなかなか風情ある撮影スポットを探すのが困難になってくる。もう通過時間までないのでふと見つけた柿の木サイドの直線で仕方なく169を見送ることにした。




霧の高原を抜けて晴れ間の小諸に降りてきた急行色169。ちょっと柿の木がアピール不足。
2008,10/28   しなの鉄道   小諸〜滋野   EOS5D  100-400mm 


 完全にやる気も失せてしまったので帰ることにした。まだ正午なので得意の節約下道コース。再び霧の軽井沢を抜け、碓井バイパスを下り横川駅を通過。すると平日だというのに線路端に数人、いや数十人のテツが固まって横川方に長玉を向けているのが見えた。テツ集団はそこだけではなく、その先の国道のオーバークロスにも群れを成していた。なんか来るな?しかし今日はしな鉄169一本に掛けてきたのでDJは持っていないので、何が来るのかは分からない。すぐに国道をUターンして熱気がたぎる現場に舞い戻って来た。全員横川方に向いているので、そのターゲットは横川に停車していると思われるので、駅に行ってみるか、その辺のテツに聞いてみるればネタはすぐにわかる。でもこういう機会って滅多にないんじゃないか。何が来るか分からない、でももうすぐやって来そうな雰囲気。あえて何が来るか知らずに待ってみるのも面白いと思う。当然ターゲットが分からないので編成長も分からないため焦点距離も決められないので、望遠のリング調整をフリーにして対応できるようにした。では予想開始。上位から首都圏のJT団臨、183団臨、検側車、カマだったらD51498の試運転、DD51842のなにか、ま!まさかのEF551の試運転。と、結論が出ないうちに踏切が鳴り出して、皆一斉に自分のカメラ飛びついた。なにが来るんだろう。期待しながらファインダーを覗きビデオをスタートすると、何年経ってもピカピカの高崎のスター、DD51842と12系だった。最後尾にはD51もくっついている。どうやら「群馬県民の日号」の折り返し回送だった。


カッツカツだったが美しいDD51と12系を頂き!12月のムーミンは外せない!!
2008,10/28   信越本線   横川〜西松井田   EOS5D  24-105mm