新垂井の別線でEF652067を!

2019.2/8

 昨日までの記録的な暖かさは一転、今朝は例年並みの寒い一日なりそうだ。北陸ではみぞれ混じりの天候だったが、太平洋側では好天に恵まれると聞き、出発を決定した。前夜、電機の運用を卓上調査していても、どうにもお目当てのカマは稼働がないか、あっても物理的に無理のある場所だったりで行く先に頭を悩ませていた。その中で唯一、国鉄色EF652067が東海道下り5087レに充当されそうなことが判った。当日起床してすぐの上流情報を調べ、無事東京を発ったことを確認してから9時過ぎ出発。福井から1時間ちょっと、関ケ原ICで高速を降りると、晴れ、とはいかないまでも「これから晴れそう」な空模様。あまり期待はせず、初訪問である旧「新垂井」経由の下り線に向かうことにする。ご存知の方も多いと思うが、ここは下り列車の関ケ原越えの勾配緩和のために設けられた東海道本線の迂回線。その目的から一方通行の単線であり、25‰の本線を避けて下り貨物はすべてここを通る。またこの迂回線には途中に新垂井駅がかつて存在していたことが知られるが、普通列車は一方向にしか出発できないため、不便なことから昭和末期に駅自体が廃止されたことは有名だ。駅がなくなった今でも緩勾配のおかげで下り貨物列車と、本線上の垂井駅を通る必要がない下りの特急列車のみが通過するため残されている。そんなところへやって来た。

 現地に到着するとなるほど雄大な線形で山裾を回り込むように単線の線路が弧を描いている。早速撮影場所探しだ。踏切を中心に線路にくっついてみたり離れてみたり、また反対側から遠望してみたりもしたが、どうしてもお気に入りのポイントを見つけられそうにもない。到着したときには少し陽も差してはいたが、いつの間にか薄曇りになってきたので、これはこれで光線を気にすることなく、どの方向からでもレンズを向けられそうだ。付近を怪しく徘徊すること1時間。ようやく一つのポイントに落ち着くことができた。天下の東海道線。さぞ長大な編成を引き連れてくるのであろう。続々と連なるコキを想像しながら、かなり編成後尾まで見通せる場所を選んだ。セッティングを完了してスタンバイ。伊吹山から吹き降ろしてくる強烈な北風に耐えながら、その時を待った。




2019.2/8   東海道本線   南荒尾(信)〜関ケ原   EOS6D 100-400mm

 なんということか、予想と真反対に編成は短過ぎ。絞りはわざと開放近くまで開けていたので、もっと、こう機関車をガッと引き付けてから後ろをボッケボケに・・・と目論んでいたが、ここで切るしか方策はなかった。見事なスッカスカだ。ていうか動体予測で追っていて良かった。前愛機のEOS5のAIでは、貨物列車の速度と言えども油断しているとカメラがピントを見逃すことがしばしあったため、個人的に動体予測はほとんど信頼しておらず、専ら置きピンを多用していた。その点EOS6は彷徨うことなく確実にピンを追っていることに、登場の10年の差に技術の進歩を感じるのであった。そんな訳でヤマを降り、時間も正午前だったため岐阜市内のお気に入りのとあるラーメンチェーン店で昼飯。そして昼寝をしてからの北上で県境の油坂峠を越え、温泉に入り自宅到着。成果はアレだけどドライブが有意義な一日であった