デジ一眼初導入 県内テスト撮影ツーリング
2003.3/24
時は21世紀初頭。100年以上の歴史のある銀塩写真が、ついにデジタルにその座を譲ろうという時代がやって来た。世紀末、急速にその勢力を拡大して来たデジタルカメラであったが、まだまだデジカメと言えばコンパクトカメラのシェアにおいて、ようやく銀塩を圧倒し始めていた頃、ついに普及型のデジタル一眼レフが登場して来た時でもあった。今となっては考えられないが、現在の携帯電話についたカメラでさえ劣る300万画素程度のデジタル一眼が40万円とかそれ以上で発売されていた。当然一般庶民である自分には高嶺の花。当たり前のようにEOS55でネガフィルム生活を送っていた。そんな時、ついに普及機EOS10の登場が発表された。発売額は当時としてはお値打ち価格の16万円。画素数は630万。勤めていた写真店の取引先に直接交渉をしてなんとか値切ってその価格にしてくれたので、迷いも無くすぐに予約を入れた。
何日かして届いた小包を開封して取り出すと、おもむきは慣れ親しんだキャノンEOSそのものだが、ディティールはデジタルらしく厚みのあるボディに少し左に寄ったEFマウント。今まで使用していたEFレンズがそのまま使えるので、EOS55のボディだけを自分の店のショーケースに陳列させて中古品として売り出した。
所有していたレンズは28−105mm、75−300mmという学生時代のそのままの貧粗な装備のままだったが、EOS10DのCOMSセンサーはフィルム面積より小さいAPS-Cのサイズなので自動的に焦点距離が1・6倍になり、実質45−168mm、120−480mmになる。最初は今まで届かなかった超望遠の世界がついに!!と喜んでいたが、むしろ広角が犠牲になったことの方が痛手だったとすぐに気付いた。ともあれ初めてデジタル一眼を手にして最初の休日。近場にテスト撮影に出かけることにした。当時は当たり前のように走っていて、気軽にテスト撮影していた列車達であるが、見返してみると現存するのはごく一部で、気軽に撮ったものがこうしてデータとして残ることの大切さを改めて感じている。
朝、まず向かったのは藤沢弥勒寺ストレートだ。県内屈指の有名撮影地で、保線用のフェンス扉の取っ手の部分の網がちょうど切欠きになっており、そこから望遠レンズを繰り出せば藤沢駅を出た上り列車がストレートで望めるという午前中超順光という名ポイントだ。取っ手の対になっているフェンスの切欠きが2つと、心無い輩に破られた穴から覗くしかないため、定員は4,5名ほどだったと思う。数年後に訪れる東海道系ブルトレの廃止フィーバーには毎日盛況を呈していたようであるが、2003年の春は自分一人だけの独占だった。こうして自分のデジタル一眼人生はスタートした。
この東海道211も登場時の国鉄色。やがて去りゆく日は来るんだろう。
2003,3/24 東海道本線 藤沢〜大船 EOS10D 75-300mm
まだまだ単独編成の「富士」。こんな列車が今走っていたらフィーバー必至だ。
2003,3/24 東海道本線 藤沢〜大船 EOS10D 75-300mm
プレビューを確認してその場で成功を確認できるデジカメ。反面その場で失敗も分かるデジカメ。現像〜仕上がりのドキドキ感は無くなってしまったが、便利な時代になったものだ・・と思いすぐに撤収して海を目指す。海岸沿いの国道134号、西湘バイパスを経て米神に到着。「富士」の1時間後にはもう一本ブルトレがやってくるのだ。
昼前に東京に到着する「さくら・はやぶさ」。ここも一人だけだった。
2003,3/24 東海道本線 根府川〜早川 EOS10D 75-300mm
鮮やかな桃の花。モーター音も高らかに113が通過していった。
2003,3/24 東海道本線 早川〜根府川 EOS10D 28-105mm
185新塗色は今も健在。ミカン畑から米神俯瞰。
2003,3/24 東海道本線 早川〜根府川 EOS10D 28-105mm
この後、まだまだ帰るには早すぎる時間だったため、湯河原から一気に箱根峠に登り詰める走り屋スポットとして名高い「椿ライン」を攻めて芦ノ湖沿いに朝霧高原へ下り、富士山バックの御殿場線に移動した。少し大気は霞み始めてしまっていたが富士山の威容を間近で見て取れることはできた。当時、白いお面の電車は居たかどうかは覚えていないが、セットしてすぐやって来たのは湘南色の115。現在JR東海からも撤退しているのでいい記録になったと今となっては思う。
2003,3/24 御殿場線 御殿場〜足柄 EOS10D 75-300mm
靄がかかっている今日は一日中晴れが続くようだ。このまま帰るよりもう少し寄道して行こうと思い、江ノ電界隈を目指す。夕陽も綺麗に映えそうな気配だったので、時間潰しのため一般道で移動し、それでもまだ余裕があったので何を喰ったか覚えていないが昼飯をゆっくり楽しみ、空が赤く染まり始めた頃湘南に到着した。旧型車の500型は来なかったのか、もうすでに引退していたのかは定かではないが、300型が現役でバリバリ活躍していた。
2003,3/24 江ノ島電鉄 稲村ケ崎〜七里ガ浜 EOS10D 75-300mm
2003,3/24 江ノ島電鉄 稲村ケ崎〜七里ガ浜 EOS10D 75-300mm
2003,3/24 江ノ島電鉄 稲村ケ崎〜七里ガ浜 EOS10D 28-105mm