無理やり国鉄色!? 伊那路に残った213系を頂きに行く
2026.2/13
早朝からの仕事が終わり、珍しく定時に自宅へ帰って来た。30分ほど昼寝して目覚めると、脳がかつて経験したことの無いほどバキバキな状態に覚醒していることを自覚した。意味も無く込みあがって来る活力! このまま夜を迎えるのは勿体ない気さえする。明日の仕事は休み。そうだ! 出かけよう。でもどこへ?を自問自答していると候補に挙がったのは2つ。今年最後と言われている上越カッター。今朝まで3日連続で出動しておりこのままの勢いで明日も運用に入るかも知れないと根拠のない理屈に少し立ち止まって考える。もう一つはこちらも来月で引退が決まっている飯田線213系。登場は1988年とJR化後だが、一応湘南色。かつて飯田線元善光寺貨物の廃止の1996年に訪れた懐かしいあの地を思い出し、ちょうど30年ぶりに訪問してみることにした。
豊橋から辰野まで、長大な路線として知られる飯田線は、南側区間は並行道路もほとんど無い秘境路線。一方飯田より北側区間では中央アルプスを背景に高原列車を彷彿とさせる区間であり、当時の貨物列車もこちら側で運行されていたので、自分自身土地勘もある。ということで早速飯田線213系の運用を検索しててみた。運用に就く213系は多いものの、とてつもなく長大な範囲であるので効率よく撮影できるのは極一部に限られそうだ。明日はどこが熱いエリアになるのだろう、と調べてみると飯田〜伊那市付近。自分にとってはまさにうってつけのエリアで何度も行き来した地。七久保駅を中心に数々の名撮影地が用意されている。さあ出発だ。テンション任せに機材をホイホイクルマに積み込み、自宅を出発したのは20時前のことだった。明日の伊那地方の予報は降水確率0%晴れ! 期待が高まる。
相模湖ICで中央道に乗り長野方面へ。テンションもおかしくなってたこともあって、夕方ラーメンを喰ったばかりなのに談合坂で山菜ソバを夜食として喫食。その後、標高が高くなるにつれどんどん気温も低くなり、小淵沢付近でマイナス5℃を記録。岡谷JCTで恐らく人生2回目となる中央道「西線」を名古屋方面へ。目的地の1つ手前である小黒川PAに到着したのは24時を少し回ったころだった。今日はここでマルヨする。装備を何も考えず勢いで出発してしまったため寝袋は持っておらず、仕方なしにアイドリングしたまま夜を明かすことにした。
翌朝、寒さでほとんど眠りに就くことができなかった。乾いた車内の空気のせいか若干喉が痛い。でもそんなことはどうでもいいくらい朝から冬の空はビカビカに晴れ渡っている。すぐ近くに聳え立つ数々の名峰たちも「良く見える」を通り越して爆見え状態。あまりの神々しい光景に、出かかった体内の老廃物も引っ込んだ。目覚めの缶コーヒーをやって駒ヶ根SICで流出。少し走り、想い出深い七久保駅付近に到着した。高原の頂きに存在するような場所にある七久保駅だが、実は河岸段丘上の最も高い場所に位置するだけであり、飯田線は辰野を頂点に延々と天竜川沿いを豊橋に向かって下るだけの峰越の無い路線だ。さて1本目。まもなく202Mが間もなく登って来る。30年の時を経て、かつてED62を撮影した同じポイントで列車を待った。
凛と張り詰めた朝の大気の中やって来た天竜峡行き202M。
2026.2/13 飯田線 伊那本郷〜七久保 EOS6D 24-105mm
ソーカイだね! 凍えるほどの寒さを忘れるほど。思い付きで来て本当に良かった。さて感動している場合ではない。1時間もしないうち下りの213も来てしまうのだ。・・・の、前に少しこのエリアを散策してみたい。ED62を追った各地点は30年経ってどう変化しているのか、記憶の中の風景と合致するんだろうか、ということでこの駅周辺を巡ってみることにした。「あ〜ココ、ココ!」 「ここの石垣に腰かけて列車を待ったんだっけ」など、突っかかっていた脳細胞の一部を復活させるような感覚を憶え楽しんでいるうちに時間が無くなってきた。先ほど1発目を撮影した道路の真反対からだ。
人生のほとんどをこの山が木曽駒ケ岳だと思い込んでいたが、念丈岳ということを今回初めて知った。
2026.2/13 飯田線 七久保〜伊那本郷 EOS6D 24-105mm
さて次は本当に時間が無い。今見送った1501Mが隣りの伊那本郷で交換する204Mを、移動して七久保駅の反対方で狙うのだ。猶予はわずか10分だ。
こちらは空木岳(うつぎだけ)。七久保を頂点とする急勾配がよく分かる。
2026.2/13 飯田線 七久保〜高遠原 EOS6D 24-105mm
次もたった30分後の1503Mで今日はフィニッシュとなる。まだ時刻は10時前であるが、本日の213系の運用がこの時間帯のこのエリアに、ギュッと集約しており、次の213系は夕方頃の通過なのだ。効率よく濃い撮影ができる反面、同じような景色で少々飽きて来る。そんな贅沢な希望を抱き、次の1503Mは2本前の1501Mを撮影したポイントから、さらに後方に下がった地点。朝から熱心なファンの皆様が数名撮影していた場所に決めていた。クルマ数台。撮影者15名ほど。通過まであと十数分あるが、ふとあることが頭によぎった。飯田線は勾配を克服すべく急曲線のオメガカーブを多用する路線。開業時は私鉄ということもあり駅間も非常に短い。そう、いつもの・・・
「オッカケラレルカモシレナイ」
・・を発動しよう。確かED62貨物の時も原付で追いかけまくって何発も抜いたことを思い出した。通過までの待ち時間の間、スマホでマップを開き道路図を暗記。さらにこの先の目的地付近の通過時刻も頭に叩き込み、安全な範囲でひとまずやってみることにした。
ガスが出始めてしまったが、山々が近い伊那谷らしい情景にウットリ・・・
2026.2/13 飯田線 七久保〜伊那本郷 EOS6D 24-105mm
さて、ウットリ・・・している場合ではない。現場でいた皆さんは各々談笑しながらのんびり撤収しているようで、追っ掛けは誰も発動しない様子。そんな中、自分一人そそくさと現場を後にするのは恥ずかしい気がして、少し急ぎながらも、飽くまで自然に振る舞いながらクルマに乗り込み、現場が見えなくなったところで少しアクセルを踏み込んだ。道路は九十九折の坂を下り、オメガカーブを描いてきた線路と合流。するとあっけなく先ほど撮影したばかりの1503Mに追いついてしまった。これから先の駅間も短いしチョロいだろう。駒ヶ根市街で若干の混雑に遭遇したが、30年前には無かったバイパスのおかげで、なんなく目的地に10分先着することが出来た。
かつての有名撮影地、大田切橋梁。ED62はもとより165系、イゴナナ、ゲタ電など数々の名優たちが輝いた大舞台だ。
2026.2/13 飯田線 大田切〜宮田 EOS6D 24-105mm
これにて本日の撮影は終了。想い出巡りもしてみようかと思っていたが、次回、いつになるかは分からないがバイクでしてみようと思う。まだ10時前であるので一般道で帰路に就くことにする。毎回岡谷〜茅野の諏訪湖北岸で渋滞に捕まってしまうため、何度か通行したことのある、伊那市から国道152号の杖突峠ルートで茅野市にワープ。あとは快適快速路の国道20号で、明るいうちに自宅に戻ることができた。