「わ鐵」の国鉄色DE10

 今年のゴールデンウィークは暦の関係で日曜に公休を入れることとなった。せっかくの日曜日・・・。つい数年前ならいすみ鉄道の国鉄型一択だが、国鉄型の引退どころか脱線事故により運休が半年以上続いてしまっている。えちトキの455も候補に挙げていたが、連休中日に日本海側まで鉄道、もしくはクルマで移動することを考えると背筋が寒くなる。そうして考えあぐねて出した結論は「わたらせ渓谷鉄道!」・・・の、トロッコ列車!・・・ではなくその牽引機関車であるDE10!・・・でも国鉄色の方! 、である。たしか所有している2両のDE10のうち片方がオリジナル色。もう片方が国鉄色のはず。運用はどちらもランダムに入るようだったので、Xやブログで一般人のわたらせ渓谷鉄道訪問記などを検索すると、ここ数日はわ鉄の国鉄色DE10こと、1678号機が運用に就き続けているらしい。早速下調べ開始。初めて知った情報として、トロッコ列車は1日3往復だが、2往復は気動車で、うち機関車牽引は1往復のみということ。運転区間は全線かと思い込んでいたが、途中の大間々〜足尾だということ。観光列車ということもあり途中駅に数分停車したり、所用時間は同区間の普通列車の1.5倍程度であることから追っ掛けも出きるっぽい。いいんじゃない? 連休中なのでクルマは端から考えておらずバイクでの出撃に決まり。ツーリングには遠すぎず近すぎずの距離。またいくら足尾付近の標高が高いと言え、さすがに桜は終わっていると思うが、この時季なら新緑がキレイなはず。前日カメラの充電、タイヤの空気圧のチェックをして翌日に備えた。

2025.5/4

 6時ちょうど出発。連休中の渋滞も考え早めの出発だ。いつもより空いている首都高、東北道、北関東道を順調に抜け桐生太田ICで降り、桐生市内には2時間ちょっとで到達することができた。出発からノンストップで走りっ切ったため、コンビニで軽くメシを喰いながら天気のチェックをすると、本日は終日晴れ。最高気温は23℃とありまさにバイク日和の一日になりそうだ。




わたらせ渓谷鉄道の拠点駅 「大間々」 立派な駅舎が迎えてくれた。

 すでにトロッコ編成は組成されているはずなので、早速構内を見渡せる踏切に回り込んで本日の機関車を確認してみよう。1678号機なら本日はテツ活動。そうでなければ赤城山周遊ツーリングデーに決めている。果たして・・・!




ヨシッ! 本日の行動が決定。
2024.5/4  わたらせ渓谷鉄道  わたらせ渓谷線  大間々  EOS6D 100-400mm

 ちょうど10年前、両毛線に臨時列車として485系が入った際、時間つぶしで足尾線沿線をバイクで巡ったことがあった。ふと足尾駅を覗くとこの機関車が機回し作業を行っており、いつか撮影目的で訪問しようと「死ぬまでに撮りたいリスト」に追加したまま、昨日まで忘れていた。前回は引退目前の485目的でDE10どころではなかったが、今日は違う。天気も持ちそうだし一日デーテンで楽しむつもりだ。今回はあえて撮影地の下調べはしておらず、まだトロッコ出発まで1時間以上あるので下見開始。国道122号を足尾方面へと進む。このルートは峠を越えると日光に繋がっており、ドライブやツーリングルート大層人気なようで、多くのクルマやバイク、観光バスが行き交っている。その観光客相手に沿道では普段閉まっていそうな土産物屋や飲食店が営業し、沿道の各駐車場では軽のラパンやホンダのモンキー、その他車種のワンメイクミーティングなどが開催されていたり、その横では旧●會の大規模な集会が始まっていたりしてどこも賑やかだ。また立ち寄ったいくつかの駅では何かのイベントなのか出店や呼び込みもあり、こんな山奥でも活況を呈している。平日休みの身としては少し衝撃的な経験であり、自身がかつて新卒時、「オレが働いている時にみんなはこんなに楽しいことを・・・」と妬んでいたあの心情を思い返し懐かしい気分になった。そんなことを考えながらしばらく走り、とある駅に立ち寄ってみた。昔の木造駅舎が現役であり古い佇まいが趣深い、神戸と書いて「ごうど」と呼ぶ駅だ。







 普段は閑散としていそうなこの小駅にも、連休の本日はなにやらイベントが行われるらしく、構内の様子を撮影しようと改札をくぐると、「どうぞ見て行ってください」などと開催者の方から手招きされた。さてそろそろ時間になって来たので、ここまでいくつか目星をつけていた撮影地のうちの一つに向かってみよう。少し来た道を戻り渡良瀬川を渡る道路橋。すると立ち寄った時は気が付かなかったが、ここはわたらせ渓谷鉄道の写真でよく見る、あの廃校バックの撮影地ではないか。しかし川を手前に廃校をバックにしてSカーブを捉えた有名なアングルは、道路上のバカ高いフェンス越しにカメラを構えなければならないことが判明。脚立を使用しているんだろうが、丸腰の今の自分にそんな勇気と装備はなく、足回りが草で隠れそうであったが、少し引き気味にサイドから狙ってみることにした。やがてその時間。観光列車らしく遠くからAW12のホイッスルが何度か聞こえてくると、ゆっくりDE10に従えられた編成が姿を現した。




わたらせ渓谷鉄道  わたらせ渓谷線  小中〜神戸  EOS6D 24-105mm

 通過直前イヤな予感は的中し、「曇り寄りの晴れ」になってしまい急遽露出を変更したが失敗。上記画像は修正後のものだ。さて先を急ごう。助手席にポンと機材を放り込んですぐ追撃態勢に移れるクルマに比べて、機材をすべて「個」の状態にしてトランクに干渉しないよう詰め込み、ヘルメットとグローブを付けてようやく発進できるバイクは2分ほどのハンデがあるが、走り出してしまえばこちらのモノ。信号停車ではイラつく追っ掛けクルマ部隊を横目に先頭に躍り出て、バイクの加速力でシグナルダッシュをすれば無双状態。また現着しても駐車場所に難儀しないのも有利な点である。とはいえこのトロッコ、次の神戸で数分の停車もある上、速度ものろいのでそこまで熱くなる必要は無く、ただ次の撮影地を決めていなかったので慎重に運転する必要があった。草木トンネルを出ると線路は渡良瀬川の左岸に移る。国道は右岸なので撮影場所探しにアクセスし辛く気持ちばかりが焦ってしまう。もう終着の足尾も迫っており、そろそろ意を決してポイントを絞らなければなくなって来た。すると幸いなことにもう一度線路は国道側の右岸に戻って来てくれてすぐに、ある第4種踏切が見えてきたのでここで撮影することに決めた。ダメならもう駅撮りだ。するとそこは見事なまでのストレートで改造客車を目立たせずにDE10の顔を強調できる、編成写真向けの場所だった。しかしアングル左右には電柱が林立しており、それをかわすためには400mmでシュートし極微調整も必要なキャパの限られたポイントだった。幸いにも同業他者は誰もおらず安心して待機できるのだが、先ほどに増して雲行きが怪しくなってきた。




2024.5/4   わたらせ渓谷鉄道  わたらせ渓谷線  原向〜通洞  EOS6D 100-400mm


 「これだよ〜! 出たよ〜!!」 直前の太陽隠し。鮮やかだった新緑は一気に彩を失せ、眠たい1枚に仕上がった。さて気を取り直してメシにするか。観光地にやって来て観光客向けの食事をするのではなく、最近は地元に少しでも還元できるような経済活動をしていきたいと心がけている。ということでグーグル先生にお伺いを立ててみると、足尾駅から3km程日光方面に行った国道沿いにある食堂が人気とのこと。少し走り素朴な造りのその店に到着。口コミではラーメンの他定食などもボリュームもあって安いとどれも高評価であり、自分は人気メニューというタンメンを大盛で注文。店は連休中日ということもあり満席大盛況。そこを数名の店員さんがブン回しているようで厨房からは怒号と叫び声のような声が聞こえて来るが、接客はとてもフレンドリーで丁寧だ。



 大量の野菜と300g以上あるかのような麺に塩スープがとても美味。これでなんと¥800。大満足して店を出ようとすると、まだ13時前だというのに材料が無くなってしまい本日は閉店するとのこと。よかった間に合って。バイクに跨り足尾駅を目指す。足尾駅構内はとても賑やかで、保存車両を開放するなどしイベントも模様されていた。




電化前の川越線をオマージュしたキハ30。10年前来た時は「西寒川」行きだった。




多分この地に縁も所縁も無いガソリン用タキと入替用DLがいたり・・・




ボロボロの旧色のキハ30




謎のスイッチャー3重連がアイドリング




トロッコ編成は出発直前に機回しをするようでしばし待機




さあいよいよ機回しが始まるヨ!

 乗務員さんもお昼を済ませたのか、帰路に向けて機回しが始まる。狭い駅前には観光バスも到着してしまい、山間の小さな駅はプチカオスとなりつつあった。混雑を押しのけ連結部で作業を見守った後、すぐに国道を大間々方面へと走り始めた。往路に目星をつけておいた沢入駅入口の川を渡る道路橋へ。すでに先客10名ほどがいらっしゃたが、橋の上にそれぞれが陣取り、遠くから聞こえてくるホイッスルをBGMにみなそれぞれセッティングをしていた。




わたらせ渓谷鉄道  わたらせ渓谷線  原向〜沢入  EOS6D 24-105mm

 トロッコ列車は少しでも時間稼ぎをするように、超鈍足で構内に進入していった。ここにいた同志の一部はトロッコに乗車するためか撮影後、ダッシュで駅の方に向かっていったほどのスピードだった。自分はさらに下流方面を目指し再び国道122号を南下する。終着の大間々市街に入り家屋も多くなった辺り、ここだけは事前に調べておいた撮影地に向かった。地図では完全な市街地であるものの、切り取り方によってはキレイに編成写真を頂けるポイント。当てずっぽうのロケハンでは到底候補にも挙がらなかった有名撮影地でフィニッシュを決めたい。狭い車道からの撮影で、障害物をかわすには数名に限られるキャパシティゆえ早めに到着しておきたかったのだ。当然一番乗り。この時間になると日照は完全に遮られ、感度を上げ今や遅しと列車を待ちわびた。




わたらせ渓谷鉄道  わたらせ渓谷線  上神梅〜大間々  EOS6D 100-400mm

 久々のGWを多くの一般国民の楽しみ方を満喫できて充実した一日になった。さて帰ろうではないか。まだ夕方で時間に余裕もあったため、北関東道にはのらず国道50号で東進。途中ふと休憩に寄ったロー●ンで一個増量中の「か●揚げくん」を購入。全く記憶に無いが限定のナントカ味だったためよく考えずに購入し、バイクに跨りスマホをみながら喰っていると・・・。3個目で何やら違和感に気づき、4個目で「これはマズイぞ」と自覚。5個目を口にすると苦味というかエグみを感じ、口腔内は肉体が拒否反応しているかのように腫れ始めているのが分かる。自身食物アレルギーが一切無い体質なので、アナフィラキシーショックとはこういうものなのか?と悟るものの、食べ物は決して無駄にしない主義なので、期間限定で増量された最後の6個目を無理やり口にすると、ついに駐車場のアスファルトに激しく嘔●してしまった。ゲ●〜ッというかんじではなく、シャー!という感じ。水分補給のために同時購入した「いろはす」を口に含むも腫れあがった口腔内のため上手く嚥下できない。なんなんだこれは!? 店にクレームをつけるつもりは無いが、とても行動できる状態ではなかったので30分ほど休んでいると少し体調が回復。東北道佐野藤岡IC手前で給油していると、突然の夕立。すぐに合羽を着こみインターを駆け上がると、なんとそこは50kmの大渋滞中。バイク乗りなら分かると思うが、止まっているより走ったほうが濡れづらいため、体調不良+土砂降り+大渋滞を、なんと蓮田SAまでずっと車間をすり抜け続け、楽しかったツーリング+テツ撮影から一転、地獄の結末を迎えてなんとか生還したのであった。