最後になるのか!? EF65501 急遽、単機回送を迎え撃つ 9822レ

2022.1/28

 1月の暮れも押し迫ったある休日、正午過ぎに用事を済ませ、布団の上でゴロゴロしながら貴重な時間を思う存分に無駄に過ごしていた。しかし勿体ない精神が騒ぎ始め、布団の中からスマホでネタ探しをし始めた。だんだんと睡魔が襲ってきて気を失いかけたその時。「EF65501 品川撮影会のための送り込み単回」が今夜あるという情報を発見。今週末に開催される展示撮影会のため、Pトップ様が高崎を20時前に出て大宮に21時過ぎに到着されるとのこと。夜なので駅撮りで流せば何とか頂けるであろう。今からでも充分間に合う時間であるが、単機であるしそれほど気合を入れるわけでもなく、ビデオも三脚も望遠も持たず、標準ズーム一本だけを装着し、テツヲタカムフラージュ用のバックにEOSをしのばせ、またヲタ臭軽減のためのコンタクトレンズも装填。そして本番の前に「とある所」で撮影の予定もあるので、大分早い17時前に出発した。最寄りの京急の駅前のコンビニでスーパードライを一気呑み。列車に乗り込んだ。乗車しながら京急の運用情報を調べると、1時間後、目当ての編成が逗子葉山で折り返し、追いかけてくることが分かった。まだまだ時間があるので、川崎で下車し、ここでも銀色のヤツを一気呑みし、かなり気分が良くなったところで構内の立ち食いソバで腹を満たし、またやって来たエア急に乗り空港線、天空橋駅へと降り立った。スマホに保存してきた、あるCMのキャプチャー画像を見ながらホームで立ち位置を微調整。当然ホームなので三脚は使えず、また反対ホームの上り方面の大勢の帰宅客の視線を気にしながら、目的の編成が現れるのを待った。




2022.1/28  京急空港線  天空橋  EOS6D 24-105mm

 プレビューで早速確認すると、まさにコレ! 本物は地面から10cmほどの高さからの撮影で線路は見えないくらいなのだが、さすがに下り方面で誰もいないホームとは言え寝そべってカメラを構える訳にはいかない。至る所に監視カメラがあるので、特にやましいことをしている訳ではないが、そそくさとその場を立ち去り、一旦改札を出て上りホームに移動し反対方の列車を待った。ところで今日の対象であった1500形は、登場当時主力の旧1000形を置き換える目的で浅草線直通や快特運用にも対応する装備を持ち、1985年に華々しくデビューしたのだが、近年続々と増備される新1000形に代わり快特などの優等運用から退いている。主に本線の普通や大師線運用であったり、この日も1500が充当されている全15運用のうち、エア急含む優等運用はこの1編成のみだった。あのCMの企画者はそれを知って1500を登用したのなら、かなりのマ●アであることは間違い無い。別シーンでももはや珍しくなった白帯一本の1500形の側面からの撮影もあるくらいだ。

 そんな訳で都営線直通の列車に乗りながら、先ほど一つ気になることを思い返した。天空橋での撮影前、2本ほど練習撮影を行っていたのだが、その際、連写するとカメラにエラー表示が出ており、それ以上連写できなくなってしまう現象が現れたのだ。その後も不信感を感じつつも何度かシャッターを切ってみると5回のうち1回程度でエラーが発現しており、「レンズ接点不良」とのメッセージが表示されていたので、目的地に到着したら適当なもので接点を清掃してみようと思う。

 やがて品川に到着。東京上野ラインに乗り換えてEF65501の撮影場所を目指す。しかしどこの駅で撮るかも全く決めておらず、高崎線の駅撮りスポットなんて全く知識として持ち合わせてないので、先頭車に乗り込み、車内からイケそうな駅をチェックして決定することにした。もし降りてダメだった場合の移動に備えて30分程度余裕を持ってこの電車を選んだ。大宮ではすでに何人の方が待機しておられたし、他の駅ではどうであろう。2,3と駅は過ぎ、シンプルな対向ホームのある駅で意を決して下車すると、北上尾という駅だった。単回9822レまであと20分。ホームにはそれらしき方が1名ほど。凍える寒さの中、やって来る列車たちを流しの練習することにしよう。

・・・しかし、500ml缶たった2本とは言え、アルコールが入ってしまった体の神経反応は予想以上に鈍く、全く被写体の動きを捉えることができない。自分は大丈夫のつもりも大丈夫じゃない。飲酒運転の恐ろしさはこういうことなのだろう。またカメラも先ほどのエラーが頻発しており、この場所に到着してからレンズとカメラの接点を掃除したにも関わらず、エラー表記が止むことが無い。エラーによる撮影不能はしょうがないにしろ、起きなかった場合、流しだけは成功させたい。最後の練習電が行ったあと、何度も素振りをしながら単回を待った。やがて暗闇の向こうからレールを照らす2灯のビームが現れた。集中し息を止め、機関車の一点を凝視し素振りの成果を思う存分ぶつけた。




2022.1/28  高崎線  北上尾  EOS6D 24-105mm

 ホントはナンバープレートをビシッと決めたかったのだが、酩酊するテツヲタにその術は通用しなかったようだ。しかし恐れていたエラーは、実はこのコマの直後のショットで出てしまいに連写続行不能になってしまったのだ。あぶねあぶね。ということで、酔っぱらって妙なハイテンションになっているせいもあってか、特に失敗に落ち込むわけでもなく、意気揚々と上りの電車に乗り込み、爆睡しながら地元へと戻って来たのであった。

 翌日の仕事からの帰宅後、愛機のエラー出現を放置することはできず、ナノカーボンでレンズとカメラ側の接点をコーティングしてみた。通常の接触不良なら一発でこれで直るはずだが、症状は治まらず。もしや、と思い望遠に付け替えたり、サブ機に常用の標準レンズを付けたりして原因を探ってみると、どうもレンズが異常であることが判明した。現在愛用の標準Lズーム。発売してすぐ、転職スミだったものの、過去勤めていた写真店の先輩のOさんに頼み込み、横流し価格で購入してから第一線で活躍し続けすでに16年。これまで不具合が出なかったことのほうが奇跡だろう。すぐにメーカーのサポートで調べると、来年で修理可能期間が打ち切りとのこと。今回このようなタイミングで不具合を訴えてくれたのも奇跡だったというしかない。まだ真冬でもあるし、ふとした撮影欲求に駆られることもあるので、修理の早いメーカー窓口へ直接持ち込みをしようと調べると完全予約制になっており、また窓口の予約の空きも最短で3週間後! かつて現在も愛用している100-400mmの修理を任せたときは全国各地にサポート用の窓口があり、予約なんて必要無かったのが、現在は全国に拠点はたったの3箇所。宅配での受付を推奨しているらしいのだが、コチラは不規則な勤務なので、在宅の確約も難しい。仕方なく最寄のヨドバシの修理窓口に持参。2週間ほどかかるとのことなので、もしその間、何か「テツ」的な「アレ」があった場合はしばらく使ってなかったサブ機でもあるキッスという恥ずかしい名前のカメラで出撃することになるのだろう。という訳で修理完了の知らせを待つことにした。