大人の遠足で不要不急の外出 ワシクリで「EF6627」
【注釈】 当記事はこの撮影直後に執筆したものです。表現など不適切な部分もありますが、当時の社会情勢を考慮の上、ご覧ください。

2020.2/27

 2月、某国を発生源とし、世界中に徐々に猛威を振るいつつ拡大しているコロナウィルス。日に日に感染者数は拡大しているものの、1億人以上いるこの国で発症者は数百人ほど。もともと楽観的に社会生活を送っている身としては「自分は絶対大丈夫。なったらなったで運が悪いだけ。」と気に留めるつもりは全くない。ところが我が職場ではニュース番組とかの情報を真に受けた従業員3名が、2週間ほど前から感染が怖いと休職している。ちょっとちょっと、信じられん・・・ウソでしょ!? 満員電車が毎日走り、駅でもスーパーでも人ゴミであふれかえっているというのに、外出せず自宅でじっと過ごしているとのこと。しかしそんなことはさておき、通常通りある休みの日、不要不急の外出をしてみることにした。  EF6627が4093レとして午後宇都宮まで向かうとのこと。北西に向かって進む列車なので、午後の遅い時間は背後に太陽を背負いながら、どうみてもどこで撮っても逆光になるのは理解している。今日は一日中快晴予報。そこは承知の上で向かってみることにした。今日はクルマではなく濃厚接触になり得る公共交通機関で行くことにした。

 しばらくぶりの電車移動なので嬉しくなってしまい、久しく口にしていない駅弁、そして毎日愛飲している第3のビールではなく本物のヤツを購入。わざわざ弁当を喰うためだけにグリーン車のチケットも入手して上野東京ラインの2階席に乗り込んだ。早速開封!





 何年経っても変わらない味。冷めてもおいしい崎陽軒のシウマイ弁当。横浜市民はこれが血となり肉となるのだ。¥860。市内における各種冠婚葬祭を始め、自治会などのなんかの集まり、またはお土産、普通の食事として、他地域の方には考えられないほど流通している。崎陽軒の売店も市内のある程度の規模の駅なら必ずあるし、最近ではロードサイド店も出現してきた。ほのかな香りのする木のパッケージ。それゆえにご飯がやたら容器にくっついて残る、というのも昔ながらだ。そんなシウマイ弁当であるが、例の乗客と乗員のコロナウィルス感染によって横浜港に隔離されたクルーズ船のために、崎陽軒がこの弁当を4000個を差し入れたというのだが、どこかの段階で行方不明になってしまい、結局乗客の口には入らなかったというニュースが流れた。廃棄されたわけでもなさそうだし、だれが4000個も喰ったのか?未だに謎である。

 さて、弁当もビールも、品川に到着する前に完食し、そろそろおネムの時間ではあるが、めったに乗らないグリーン車の車窓を楽しむべく、眠気に耐えて1時間ちょと。栗橋駅に到着した。撮影地はここから徒歩30分の距離。東武鉄道も接続することからある程度の規模かと思いきや、周囲はコンビニと駐車場しかない寂しい駅前だった。早速歩き出す。今日は曇りの心配は全くない1日であるが、北風がやたら強く吹き付ける。電線もゴーゴーと音を立てるくらいで、油断していると時折体が持っていかれそうになるほどだ。とても寒いのでわざと速足で歩き体を温め、田んぼの真ん中をひたすら進み、ようやく撮影地の陸橋に到着。通過まで20分ほどだったが、すでに順光側、逆光側合わせて20名ほどが北風に耐え忍びながらセッティングしていた。自分は順光側で待機。陸橋の上なので風を遮るものは何もなく、ただただ寒さを耐え忍んでいた。




2020.2/27   東北本線  東鷲宮〜栗橋    EOS6D 24-105mm

 編成は意外と長くケツ切れ寸前だった。列車が行ってしまうと全員蜘蛛の子を散らすように撤収し、早々に後にする。また30分ほどかけて栗橋駅に戻り、帰りの経路を考えた。またJRで帰るのもなんだし、せっかくなので多分初乗車である東武日光線で帰ってみることにした。しかし往復1時間歩いたせいか、小ぶりなシウマイ弁当を消化しきってしまったらしく腹が減って来た。牛丼屋でもファミレスでもいいから食事がしたい気分だったが、ここ栗橋駅にはコンビニしかない。駅の時刻表やスマホの乗り換え案内を見てみると、どうも一つ先の南栗橋が東武線の運用の境になっているらしく、都心直通の電車の始発であったり、車両基地があったりするのでさぞ規模の大きな駅のようなので、そちらに向かってみることにした。鹿児島より西鹿児島(現:鹿児島中央)、和歌山より和歌山市、みたいなものだと合点して、早速南栗橋までの150円の切符を購入し入場。やって来た電車に乗り込むと車内放送が。「人身事故の影響でこの先春日部から運転見合わせ中」とのこと。飯を喰っている間に運転再開するものだろうと考え南栗橋駅到着。まだ風の強いホームから駅前のロータリーに降りると愕然とした。「なんも無い・・」 コンビニどころか、あるのは居酒屋とデリバリーのピザ屋。歯医者と学習塾くらいだった。大通りまで行けば何かあるかもとそのまま直進。スーパーが1件あるのみで20分ほど歩きまわって駅に戻ってきた。




寒々とした南栗橋駅前。ほんとに腹が減って来た。

このままここを諦めて都心に向かおうにも、上りの運転再開まであと2時間以上とのこと。誤算だった。栗橋に戻り東北本線に乗って別の街を探してもいいのだが、勢い逆方向でもある栃木駅に行ってみることにした。これなら帰りは東武特急に乗って優雅に帰路に就けばいい。すぐにやって来た日光行きの普通電車に乗車。しばらく揺られ、暗くなった頃、栃木駅到着。県名を冠しているものの神奈川県の神奈川駅、山梨県の山梨市駅みたいだったらどうしようと降り立つと、栗橋ほどでないにしろ、やはり駅前には飲食店は見当たらなかった。しかしロータリーを抜けてすぐに「すき家」とハンバーグの「ビッグボーイ」を発見。迷わず暴飲暴食をしようとハンバーグの方を選んだ。¥1100でグリルプレート、ご飯お替り自由、サラダ、スープ盛り放題で完全に元を取り、さらに中ジョッキ2杯空けて腹が苦しくなったころ駅に戻ってきた。ちょうど上り特急の時間だったので、券売機で座席指定をしようとすると該当列車はないとのこと。駅員に聞いてみると、例の人身事故の影響でダイヤが乱れまくっており、折り返しの東武日光にも到着していないとのことだった。そうなると優雅な東武特急によるリッチな帰還は諦めて、両毛線〜東北本線を乗り継いで帰ることにした。グリーン車にしようか迷ったが、なぜかその時は非常に疲れていて、固い座席のロングシートでも爆睡できそうな気分だったので、そのまま普通車を選択。予想通り、目的地まで全く目を覚ますことなく爆睡し、今回の旅は終了となった。