令和の奇跡! 鹿島貨物の国鉄型牽引機たち

2019.9/27

  この月中旬に約10年ぶりに訪問し撮影した鹿島貨物。国鉄色64狙いで乗り込んでみたものの、予測を外し更新色が来てしまい、再訪を誓った。よくよく運用表を確認すれば、愛知機関区EF64が鹿島貨物に充当するA5は同じ運用でも途中「マルヨ」することに気が付き、充当する翌日に該当するカマが入ることが理解できた。

 そして月末のある休みの日、予報が一日中快晴とのことだったので、再びあの撮影地に向かうことにした。本日のターゲットは愛知64ではなく、夕方に上ってくる新鶴見運用のEF65の1094レ。現地ではまっすぐ西に向かって進む便なので、快晴とくれば西日ベッタリの原色65がいただけるかもしれないと、バイクで出発することにした。ひとつ、その前に鹿島貨物のおさらいをしておきたい。



 
 この界隈であればすべての列車が撮影可能時間帯。土日含むほぼ毎日運転。全牽引機が国鉄型電機。良い感じのロケーションも沿線にそろっている上に首都圏からも近く、こんな条件のいい貨物運用がこの現代に残されていることに感謝する。
 
 真夏の酷暑はとうに過ぎたものの、晩夏の太陽が照り付けるが、暑すぎも無く、パーカー一枚でバイクに乗るのにはちょうどいい季節。午後の流れのいい湾岸を飛ばし、東関道、圏央道を経て現地に到着したのは、ちょっと早めの通過1時間前だった。空は雲一つない青空。原色65も入るとあって現在同業者は3名ほど。皆同じ狙いだろう。本日の日の入りは17:30。列車の通過時刻は16:30頃。日没直前のレッドセンセーションまでは行かなくとも、赤みを帯びた光線に向かってくる65を誰もが手にしたいのだろう。一人、また一人と増える同志たち。通過まで30分を切ってふと上空を見上げると、今まで微塵もなかった低層雲が空に湧き出していた。しかし時間を追う毎に増してゆく雲たち。とうとう太陽は完全に姿を隠されたところで2つのヘッドライトが近づいてきた。
 
    




2019.9/27   EOS6D 100-400mm   成田線 大戸〜下総神崎

 こんな事ってあるんかいなー!! 露出を変えるまでなく真っ暗。機関車後方は空コン、しまいには乱れた心のためパン切れ。あ〜ダメだ、どうしようもない。今日は素直に引き下がって近いうちリベンジを果たそう。撮影地すぐの下総ICから高速に乗りこの日は帰還した。


2019.11/5

 リベンジを誓ったものの運用とか休みとか天気の関係で1か月以上開いてしまった11月の初旬、条件が重なったので出発することにした。11月にしては今日は暖かく、バイクで快適な高速巡行の末、あの撮影地に到着した。随分と早く出発したため夕方の1094レだけでなく、今日は64更新色であるものの、13時台に通過する1092レも撮影できる時間の到着だった。今日は今のところ快晴。前回のように直前の陰りだけは勘弁だが祈るしかない。到着して間もなく1092レがやって来た。




2019.11/5   EOS6D 100-400mm   成田線 大戸〜下総神崎

 うん! なかなか良い。でもやはり機関車次位の歯抜けが気になるし、やっぱり64は国鉄色が似合う。運用上、夕陽ベッタリの原色65と、午後の順光の原色64、2つの課題ができてしまった。さて・・・1092レが通過すると、1094レまであと3時間ほど待機しなくてはならない。同業者もいるもののここは広いキャパシティがあるので、機材を撤収して一旦近くのコンビニで休憩することにした。軒下で一服しながら今日の日の入り時間を調べてみた。すると! 本日の日の入り時刻は16:41! 日没10分前に通過する列車に陽はあたるのだろうか?という大事なことに今さら気づいた。太陽の没するとされる方角を見ると低層の山々、っていうか丘。ギリギリ陰るかそうでないか微妙なところ。散々迷った挙句、日照は届かないという結論に至り、場所を移動することにした。もっと起点である鹿島サッカースタジアムに近いところ、とくればあそこしかない。バイクを走らせ出し香取市内でラーメンタイム。その後広い川を渡り茨城県内に突入。鹿島市内に入り北浦の橋梁に到着した。線路の進む方角的に架線中の無いこちら側ではギリで逆光になるかと思われたが、自分の影を確認してこのまま時間が経てば背後から照らしてくれることが分かった。徐々に赤くなってゆく空が風景も同じ色に染める。地元の人の犬の散歩やマラソンで少し賑わってきた堤防に座り列車を待っている幸せなひと時。さて、そろそろやってくる時間だ。






  2019.11/5   EOS6D 100-400mm   鹿島線 鹿島神宮〜延方


2019.11/12

 前回、北浦での65撮影で少し満足したものの、やはりあの下総神崎の直線区間で64でも65でも「ビシッ」と決めてやるまでは手を引かない気持ちになっていた。休みである本日は原色でもあるEF652068が入るとのこと。夕方の1094レはもう完全に光は厳しいであろうことから、初めて下りの便を狙うことにした。正午前に通過する1095レ。いつものところの反対側からなら正面は厳しくとも側面には陽が当たるかもしれない。と、今日はクルマで向かうことにした。

 なんでクルマかというと、初めは公共交通機関で行く予定だった。理由は気分で。帰りは成果に満足しながら総武線のグリーン車で一杯やるのもいいかもしれないと、乗り継ぎを考慮して出発時刻を決めたのだったが・・・・あろうことか寝坊した。ならばとバイクで向かうことにしたのだが、出発して100mほど走ってタイヤの空気圧が低いことに気がついた。いつもなら自宅に戻り空気入れで充填すればいいのだが、つい先週鹿島線まで撮影にバイクで行ったときは問題なかったので、1週間でここまでエアーが漏れているということは、前回修理した跡ではなく、新しいパンクが考えられるが、もう補修している時間がない。というわけでクルマとなった。

 時間も本格的になくなってきているので急ぎたいところだが、首都高速に乗ってすぐの情報掲示板に、これから通過する湾岸線でいつも以上の激しい渋滞の文字が躍っていた。たった10kmを進むのに40分かかるとか・・・。その渋滞している地点に近づきながらも距離と時間、さらに渋滞通過時間も考えて出た答えは、「現地到着は±0分」 このままでは無念見るテツになりかねないため、ハンドルを切り東京湾アクアラインを爆走した。木更津JCTで北上しいつものICで降りると、1092レ通過20分前にたどり着くことができた。太陽の向きは・・・半逆光といったところ。若干雑草で足回りが隠れてしまいそうだが、ここで1092レをいただくことにしよう。やがて近づいてくる国鉄色。ファインダーを凝視していると、何かイヤなものが見えてしまった。というよりも見えるべきものが見当たらなかった。




2019.11/12   EOS6D 100-400mm  成田線 下総神崎〜大戸

 チキでも牽いてるんかと思ったぁー!! 乗っているコンテナはたったの3つ。稀にみるスカっぷりだった。返しの夕方の便も撮るつもりだったが、どうせ取れても前回と同じ北浦周辺。すぐに帰ることにした。アクアラインの大迂回で余計な出費をしてしまったため、撮影失敗の穴を埋めるべく一般道で帰ることにした。成田〜千葉市内、国道357から東京湾ゲートブリッジで半日かけて自宅に着くころにはすっかり暗くなっていた。


2019.11/20

 もういい加減そろそろ決着をつけなければならない。休みの日の前夜、テレビの天気予報を見ていると、明日は一日快晴の模様。ただし、今期一番の冷え込みになり、さらに北風が強く吹き付ける日になるらしい。バイクで行きたかったのだが、どうしようか。テレビの気象予報士たちは異口同音に明日は完全な防寒で外出するようにと強調している。

 翌日、出発前に外に出てみると、いつもよりは寒いものの、バイク乗りにとって全く問題になるほどの気温ではなかった。当然2輪で出発。ところで前回のバイクのパンクの原因だが結局は不明で、あの日、帰宅してからエアーを高めにしておき、今日ゲージで確認するも圧は全く変わっていなかったので安心してバイクで下総の地を目指した。本日は国鉄色64がA5に充当する予定。上手く決められれば満足である。湾岸線の流れはすこぶる良く、いつも渋滞に悩ませる東京港トンネルも幾分スムーズで、予定よりも早く到着しそうだったので、手前の成田ICで流出。国道51号で現地を目指す。朝起きてから何も喰わずで来てしまったため、撮影地近くにあるいつも世話になるミニストップで遅めの朝ごはん。セッティングを済ませ一息つくが、30分前というのに誰もいない。あとから1組2名様が到着したが、この天気に原色64が来るというのに、この静けさは一体・・・。と不安になっていると、待ちに待った1092レがやって来た。




2019.11/20   EOS6D 100-400mm  成田線 大戸〜下総神崎

 キマッたぜ! コンテナの積載も良好で、晩秋の柔らかい日差しを浴びて活躍するロクヨンはとても美しく、カッコ良かった。帰り道、成田市内の山岡屋で「祝いネギラーメン」を食し、高速に乗って帰還した。とりあえず課題が一つ消化できたが、夕陽エロ光線のEF65だけは頂かなくてはならない。今の時期では無理だが、日没が少し遅くなってくる2月あたりに再挑戦してみようと考えている。


2020.2/12

 というわけで再挑戦と決めた1094レのEF65、夕陽エロ光線を頂戴するに、いい時期になって来た。2月も中盤に差し掛かったある日のこと、A81運用にEF652097が入ることが確定。予報では下総地方の時間ごとの天気は17時まで晴れ、17時以降は曇り時々晴れとなっているのが少し気がかりであるが、あれこれ悩まずに勢い現地に向かったほうがいい気もする。今日の気温は3月中旬並みということで、バイクで出発。湾岸、東関東道を飛ばし通過30分前に到着した。先客は2名様。彼らの間に陣を取り、太陽の沈む方角を見ると少し靄が掛かっているので、日没直前のエロティックなまでの紅さにはならないだろうが、雲に隠れる心配はなさそうだ。




2020.2/12   EOS6D 100-400mm  成田線 大戸〜下総神崎

まぁまぁかな・・・。今回このシリーズでは編成写真ばかりになってしまった感はあるものの、偶然、帰り道のPAでの休憩時に見た、ニュースサイトの記事に気になるものがあった。それはよくありがちな一部の撮りテツのマナーの悪さについての記事である。

 
どうやら鉄道ファンの中でも、ジャンルでいうところの「撮りテツ」の評判が世間からすこぶる悪く、一般乗客、鉄道会社、他ジャンルの鉄道ファンから傍若無人な振る舞いに苦々しく思われているとのこと。「あぁそうですかい」くらいにしか思わなかった。そういえば最近では鉄道をテーマにしたバラエティ番組などで、本当かどうか分からない自称鉄道好きを公言する元アイドルなんかが「N700系の鼻の丸みが好きなんですぅ〜」とか言ってみたり、これまた鉄道好きというタレントたちが、電車のモーター音に「おぉータマんないですね!!」と大興奮してはしゃいでいるフリをする光景を拝見させていただく機会が多く、世間の中ではこういったのが標準的な鉄道ファンという印象を持たれてしまいそうなことが、顔から火が出るくらいに恥ずかしい。世間一般がイメージするの鉄道ファン、それと対局的な反社会的行為も辞さない悪の枢軸「撮りテツ」の構図!!!  何に興味を持とうと自由。趣味は趣味ですからね・・・。十人十色ですからね・・・。と読み進めていくうちに、なんだか途中から登場した「識者」らしき人物により論調があさっての方向に行きだしてきた。

 「撮りテツ界では編成写真を撮ることが最上位という意識が強く、みんな同じ場所、構図の写真ばかりになってしまい個性の無い写真が量産されてしまいます。そういった写真を撮りやすい場所をお立ち台といい、そこを確保できるかどうかで出来、不出来を大きく左右するので、熾烈な争いでお立ち台を確保するため、私有地の進入や不法行為が横行してしまいます。(キッパリ!)」

 「また撮りテツカーストの最上位にあたる編成写真を撮る人たちは、山、海、花などの風景と鉄道を絡め撮影することは「風景写真」であり「鉄道写真」ではないと評価しません。先頭から最後尾までの編成だけを一枚に納めることが、撮りテツのステイタスとされます(キッパリ!!)」

・・・・まぁ、何を思われようと自由ですが、独断と偏見に満ちた見解を、十把一絡げにここまで断言しキッパリ言えるその勇気に清々さを感じ、思わずブックマークに保存してしまった。いろいろ思うことはあるのだが、恐れ多くもその識者の方に、例えばこんなことを申し伝えたい。

「じゃぁ、アンタ編成写真撮ってみ?」