真夏の185踊り子

2019.8/2

  今年もまた暑い暑い夏がやって来た。自分的には冬大好き人間。まして北陸から4年ぶりの関東地方の夏の暑さに完全に参っていた。仕事していても自宅で寝てても、このまとわりつくような暑さから逃れることはできない。どうせ同じ暑いならと、ツーリングに出かけることにした。目的地は伊豆半島。置き換えの決定した185踊り子でも撮影してやろうと時刻表を開き、久しぶりに東海道線のページを見ると、185系の「純」踊り子号はいつの間にか、平日は一日たった3往復になっていた。しばらくこの地を離れていたとは言え、全く予想外で、朝から晩まで1時間ごとにバンバン動いているもんだとばかり思っていた。今からなら本日1本目の「踊り子105号」をいつかやりたいと思っていたあの撮影地に間に合うかもしれない。と、すぐに出発準備に取り掛かった。

 猛暑の中、東名高速を西へと飛ばし、標高の高い朝霧高原で少し涼しくなるかと思いきや、全くそんなことは無く、汗だくのまま沼津ICで伊豆中央道へ。専用道が終わり朝霧高原よりもさらに海抜の高い天城峠でも酷暑は変わらず、峠を越え伊豆東海岸へと到着した。休憩なしで走り通しだったため、撮影地近くのコンビニで補水。撮影機材一式とペットボトルのポカリ、タオルを持って国道脇から海側の森へと続く小径へ怪しく進入した。しばらく進むとまるで登山道のような細い道。その道もいつしか海岸より遥か上の断崖上をたどるようになると、一気に視界が開けた。稲取俯瞰! 噂に違わぬ絶景だった。森の木々の間からの撮影なのでキャパは3名程度。先客が1名いらっしゃり、挨拶して隣にお邪魔させてもらう。しかしこの撮影地、先人はよく見つけたもんだと思う。不安定な足場でそんなことを考え、しばらくすると大舞台に鮮やかな緑のストライプが踊りだした。




2019.8/2   伊豆急行線 伊豆稲取〜今井浜海岸  EOS6D 100-400mm

 沿線随一の大舞台に飛びしてきた10両の統一された編成美は、それはそれはもう美しく、大海原に映えると言ったらなかった。撮影後その場で何度もプレビューを確認して勝利を再確認し、再び崖上の藪の中を歩き通してバイクに戻ってきた。次は1時間後にやってくる107号だ。新たに撮影地を探している時間もないので近場をターゲットにすることにした。以前この国道135号を行き来していた時、国道上からチラリと見える、いつも気になっていた場所に向かってみた。稲取「駅」俯瞰。架線中などの障害物も多いが海沿いの小さな観光地の駅ということで、夏にはピッタリのテーマだ。






2019.8/2   伊豆急行線 伊豆稲取   EOS6D 100-400mm

 10両編成ということもあって、ホームいっぱいに静かに列車は停車した。シーズン只中というのに降りた乗客は5.6組ほど。家族旅行と思しきリュックを背負った少年と妹、そして両親が、真夏の暑いホームに降り立つと、入線前から待っていたおばあちゃんがその家族を出迎えていた。その隣の車両からは男女6人組の学生の集団。荷物から夏休みを利用して首都圏から遊びに来たと見える。この時点で男の子3人の頭の中が想像できる。「この旅が勝負だ!キメてやってくれ!」と勝手なエールを送りながら機材を撤収。次の115号は今度は2時間後なので飯処を探すことにした。前回伊豆急100形撮影の時はどうしても海鮮丼を欲していたが、今日は酷暑も相まって、何でもいいからサッと喰ってしまいたい。次の撮影地からは離れてしまうがしばらく国道を北上すると、ラーメン花月嵐発見。結局いつも通りラーメンを食し、また来た道を戻り片瀬白田に到着した。まだ少し時間もあったのでコンビニでチョコモナカアイスをパクつき、通過20分前になってきたので撮影地に向かう。この時間なら完全順光。一発目の俯瞰といい今日の撮影は陽の向きと時間で場所を選んできた。




2019.8/2 伊豆急行線 片瀬白田〜伊豆稲取   EOS6D 24-105mm

 フェンスがうるさい撮影地だったが真夏の伊豆らしいポイントを押さえられて満足した。午後は上り3本の185が順次帰京する運用になるが、北東に向かう列車になるのでほぼ逆光になるだろう。なので本日はこの3本でシめ、帰ることにした。でもまだ時間も早いのでただ帰るのも勿体なく、内陸を目指し伊豆スカイライン〜箱根新道でツーリングを楽しみ、我が住処に戻ってきた。