北海道遠征 留萌本線を巡る旅

2016.10/17

 なんだか法律の改正で、有給休暇の取得が義務かされるとかで、年間5日を強制的に取らなければならないと、各方面から見えないプレッシャーがかかるようになってきたのは夏の頃。当たり前だが好きで取っていない訳ではなく、人に迷惑をかけてまで・・・、というのが本音のトコロだ。しかしまぁ表向きにコンプライアンス順守を標榜している弊社にとって、自分のような不良社員が義務不履行をする訳にもいかず、業務上、比較的平穏になりそうな10月後半に1日だけ有給を取り、あとは公休を4日寄せ合わせて5連休を作ることができた。連休ができたからには遠征。3年前江差線訪問のために決行した北海道ツーリングのリベンジか? そうなると目的地は今年12月に廃止が予定されている留萌本線末端部! ついでに旧深名線跡地を巡ったり、いつ廃止されてもおかしくない札沼線末端部も訪問してみたい! 前回と同じく目的というか心意気は、撮影50:ツーリング50の感じになってきた。居住地である福井県には幸いなことに敦賀から苫小牧行きのフェリーが運航されている。こいつを使えば2日半、現地で滞在することができてしまう。当然駅寝だな・・・自炊道具も持って行こう・・・。夢は膨らむばかりだったが、バイク乗りにとって重大なあることを忘れていた。

「寒くないんべか?」

思い出した。今の会社に入社する前、1か月ほど無職期間があったので、南は九州、北は北海道など思いのままにバイクで旅をした。北海道に渡ったのはまさに今回と同じ10月後半。目的は当時DD51が現役だった石北臨貨の撮影であったが、毎晩気温は下がりまくり、陽が落ちた石北峠は1℃と記憶している。氷点下にならなければなんとか持ちこたえることはできる自信はあるのだが、怖いのは気力が無くなり撮影意欲が失せてしまうことだった。過酷な旅もいいけどやはり余裕を持って旅は楽しみたい。早々にバイクはやめてクルマで行くという軟弱な決断を下したのは出発の2日前だった。

出発当日。敦賀からのフェリーは日付が変わった午前1時出航とのことだったので、日曜日の日勤の仕事を無理やり切り終え、自宅を出たのは22:30のことだった。高速を使えば敦賀港まで約1時間。北陸道を走っているとあまりにも余裕で早く到着しそうだったので、途中のインターで高速を降り、一般国道8号線で敦賀港に到着した。ターミナルビルのカウンターで予約していた番号を伝え発券。そういえば長距離フェリーには何度も乗ったことはあったけど、クルマを航送するのは人生初めての経験だった。待っていたのは新日本海フェリーで最も新しい機材である「すいせん」。長距離フェリーに一般的な2等マス席ではなく、「すいせん」は最下等でも1人用のベッドが設けられていた。




 出航まであと1時間ちょっとの23:45乗船開始。ぱっと見、定員の1/4にも満たないほどの僅かな自家用車と、これまた両手で足りてしまう程度の徒歩客が船内に吸い込まれていく。自分は荷物を指定されたベッドに放り投げ、毎回長距離フェリーを利用する際のいつもの行動。すぐさま風呂へ直行した。一番風呂を楽しむためだ。十分に一番風呂を堪能し、まだ時間もあったので自販機でビールを購入。飲み干して気持ちよくなってきたところで、午前1時、いよいよ出航の時間となった。

あとはもう長い長い19時間の船旅。沿岸を航行するのではなく、弧を描いた本州を津軽海峡まで一直線に結ぶそうなのでスマホは出航してすぐに圏外。酒を呑んで寝ているか、風呂に入るか、飯を食うか。パソコンでも持ってきて弊HPの書きかけの案件を完成させればよかった、ともう後の祭り。船内のシアターでやっていたクソつまらない映画を2本見るなどしているうち、ついに翌日の20:30、苫小牧港に到着した。今回の舞台である留萌本線末端部まではここから200kmの距離。高速を使うよりショートカットする国道で行ったほうが早そうだ。ということで室蘭本線沿いに雨の中、岩見沢まで北上。福井に越してからその味に飢えていた「山岡屋」を市内で発見してしまい、腹も減っていないのに大盛りネギ味噌ラーメンを平らげ、国道13号線で深川、そこから留萌本線沿いに日本海側に出て、最終目的地の増毛に到着したのは昨日敦賀を出発してからちょうど24時間後の午前1時だった。国道の近くにあるパーキングスペースにクルマを停め、本日の行程は終了した。


2016.10/18

 昨日無理をしてここまで来たのは訳があった。留萌本線の留萌〜増毛間の1日6本のうち、午前中に2往復。その次は12時過ぎになってしまうため、なるべく陽が昇って明るいだろう終点の増毛付近で朝の2本をいただいちゃおうという計画だった。「だった」というのは寝坊した。昨日、フェリーの中でヒマを持て余すあまり昼寝しまくり、昨夜はクルマの中でほぼ寝ることができなかったのである。ようやく眠りに落ちたのは午前5時ころ。そして目が覚めたのは午前の2往復目が留萌に戻った9時だった。なんてこった・・・子供じゃあるまいし。でもこれはこれでロケハンができるのと、各駅をゆっくり訪問することができる。そうとなれば移動開始だ。

留萌



瀬越



礼受



阿分



信砂



舎熊



朱文別



箸別

 ひとしきり全駅訪問を終えた。「なかなかいいぞ・・・」 どの駅もいかにも北海道らしい佇まいだった。自分は最近はやりの秘境駅マニアではないが、遠い過去、道内に存在した「仮乗降場」を彷彿させる造りのもあり予想以上の残存ぶりだった。以下にまとめる。

★木造ホーム(いわゆる朝礼台) ・・・ 阿分 信砂 朱文別 箸別 
★砂利敷きホーム ・・・ 瀬越 礼受 舎熊

■木造待合所 ・・・ 阿分 朱文別 箸別
■車掌室改造 ・・・ 礼受 舎熊

▲海が望める駅 ・・・ 瀬越 礼受 舎熊 箸別

 最後の▲はオマケだが、かつて北海道の沿岸を貫いていた羽幌線とか興浜線、湧網線はこんな感じだったのだろうか、としばし想像してみるのも楽しい。そして逆に意外だったのは沿線の民家の多さ。終着の増毛町は勝手に江差町中心部くらいに予想していたが結構栄えており、留萌に至っては大都会だ。その都市間を結ぶ国道231号はよく整備されておりバス便もそれなりに多く、時代遅れのローカル線の辿るべき宿命といったところだろうか。

 沿線の地勢と撮影ポイントが大体分かってきたところで午後の1本目である4925Dの撮影場所を考えた。駅間の距離も割と短い上、沿線各所ではなぜか45km/hの徐行を促す標識もいくつか見たので、もしかすると追っかけが可能かもしれない。ならば初戦は留萌に近い瀬越の国道オーバークロスからスタートだ。天気予報では一日中「晴れ」の予想。しかしながら雲が多く、空は6:4で雲の領域が多い。「いつもの展開」を念頭に入れ4925Dを待ち構えた。遠目に見える瀬越し駅周辺は晴れ間も差しているようだが、今自分が立っているところは生憎曇り空に覆われている。やがて空は晴れぬまま4925D通過。すぐに追撃の体勢へ切り替え先を急いだ。この場所はリベンジ決定だ。国道を飛ばしていると予想通り短い駅間に阻まれた列車の追い越しに難なく成功し、終点増毛にもほど近い箸別のオーバークロスに立った。ここまでくれば空は一面の快晴。あと5分ほどでやってくる列車を待ち構えた。




留萌から走ってきた海岸線を背に、次は終点の増毛
2016.10/18   箸別〜増毛   EOS5D 100-400mm

4925Dは増毛でたった10分の折り返しですぐにやってきてしまうので、往路で目を付けておいたゴルフ場へ続く林道からの俯瞰ポイントへ。ここもやはり憎い雲が列車通過を今か今かと待ちわびており、爽やかな秋の陽気に反して心中は穏やかではない。しばらくして列車のライトがファインダーで確認できるようになると、案の定、線路と直行する形で日陰領域が海側からみるみる線路に近づき、ちょうどピンを置いていた位置で車両と見事なグランドクロス! こんなこともあるのかっというほどで後日、ビデオで撮った動画を何度も見返して爆笑した。ここも再履修決定だ。なんだか天候に翻弄されながらイライラしているのもバカらしくなり、午後の2便目である4927Dが返ってくる2時間程度のヒマをつぶすことにした。国道沿いのコンビニへ。北海道といえばセイコーマートなわけで、店内に売れ残っていた北海道限定!と書かれた普通の幕の内弁当を食ってしばし昼寝をすることにした。しばらくして車内の熱気で目が覚めた。時計を見ると4927D通過まであとわずか10分。急いでマークしていたポイントに向かうと西に傾き始めた北国の太陽光線を橋脚が照らしていてくれた。




2016.10/18   阿分〜信砂   EOS5D 24-105mm

 撮影後、列車を追いかけるように増毛駅で待ち構える。普段は閑散としている駅周辺だが、廃止フィーバーもあってか1日6本の列車到着のときは見物客で結構にぎわう。観光客や地元の人。熱烈なテツらしき容貌の方は見かけなかったが、廃止まであと2か月を切っているとあって注目度は非常に高くなっていた。












2016.10/18   いずれも増毛   EOS5D 24-105m

 ひとしきり撮影を終えると、列車の出発を待たずしてクルマを走らせた。途中、ロケハンで見つけた海が望める線路沿いの神社で列車と絡めて迎撃するためだ。何度目かの国道231号線を留萌方に走らせていると、西に傾いた赤い太陽光が燦々と大地を照らしてくれている。海も山もすべてが輝いて見え、さらに撮影にも期待が持ててしまう。あぁ〜来てよかった・・・。と心からそう思えた。10分ほど走り現場到着。まだ通過時間まであったので少しこの神社を見学しよう。どうやら稲荷を祀った社だそうな。















 列車を待つまでの数十分、片手間で過ごしたこの神社は本当に心洗われる時間になった。お賽銭もしたし、いい写真が撮れそうだ! 太陽が低くなり気温がぐんと寒くなる中定位置に付いた。そして・・・・

陰ってしまった・・・。

あれだけギンギンに照り付けていた西日は、通過直前に暑い雲に遮られた。ほんの一瞬のできごとだった。厳かな気持ちはどこへやら、ムシャクシャしながら「あ〜もう!!」と追っかけを始めてしまっていた。どこで捕捉しようかなんて全く考えていない。とにかく晴れ間が出ていたら適当に流して終わろう。と間もなく終点の留萌の市街に入ってきてしまった。運転しながらふと後ろを振り向くと、午後1本目に失敗した国道オーバークロスから反対方が何やらいい感じ。急ブレーキで路肩にクルマを停め、慌ててカメラを抱えながら線路を見るとすでに列車はこちらへ近づいてくる。逆光がいい感じだが露出を迷っているヒマはない。




とっさに撮影したこの一枚。黄金のススキが輝いていた。
2016.10/18   礼受〜瀬越   EOS5D 100-400mm

 この撮影の後、近くの瀬越駅前の砂浜にクルマを停め、海に沈むサンセットを鑑賞。雲の影に翻弄された一日だったな・・・と考えている間もなく、すぐに次の行動に移す。バルブ撮影である。イメージは、こう北海道らしい朝礼台のホームに残像を残して滑り込む最終列車のイメージ。クルマを操りながら考え、朱文別駅を選ぶことにした。早速朱文別駅に到着。まだ日没した太陽はわずかながらの光を空に映し出しており、バルブするには明るすぎる。この数十分後の4929Dの頃には程よい暗さになっているのだろう。物音が全くしない静寂の朱文別駅で列車を待ちながら最高に贅沢な時間を過ごしていた。




2016.10/18   朱文別   EOS5D 24-105mm





 増毛駅でのバルブ撮影が終ると、夕飯と風呂の時間だ。閉館時間に間に合うようまずはメシよりも風呂を目指す。留萌市街へ戻りそのままパス。かつての羽幌線沿いに北上し集落をいくつか過ぎ小平町の温泉施設に到着すると、なんとそこは休業日。すぐにまた留萌市内へ舞い戻り、カーナビと携帯で市内にある銭湯と温浴施設を探し当て、全て足を運んでみたものの、いずれも休業、もしくは廃業。旭川か深川にでも出ればこんな時間にも開いていそうな施設はあると思われるが、そこまで労力をかける気力がなかった。仕方がない、今日は風呂は諦めよう。留萌市内のマックスバリューで売れ残りの弁当と寝酒のビールを調達。広い駐車場の端にクルマを停め車内で今日のディナーとなった。そして今夜の寝場所に向かう。明日の朝イチの撮影のために増毛駅まで戻り、駅裏手の広い空地の片隅で、2日目の夜を過ごすことになった。


2016.10/19

 翌朝、一番列車到着前に起床。駅の手洗い所で洗面を済ませ、早速移動開始。今日は昨日と違い空はよく澄んでいる。いい一日になりそうだ、と期待を込め、まずは隣の箸別駅に出向き1番列車である4922Dを撮影。その後は昨日見事なまでに直前に曇ってしまった、ゴルフ場への道俯瞰から返しの4921Dを狙う。午前中は絶好の順光になるのだ。




4922D
2016.10/19   箸別   EOS5D 24-105mm




4921D
2016.10/19   阿分〜信砂   EOS5D 100-400mm




4924D
2016.10/19   信砂〜阿分   EOS5D 100-400mm

 さて、午前中の2往復が行ってしまうと、午後の4925Dまで5時間近く、空白の時間が留萌本線末端部にできてしまう。ここで出発前より計画していた行動を実行してみようと思う。この時間、すぐに発てば約50km先の札沼線新十津川駅に到着する一日1本の5425Dに絶妙なタイミングで間に合ってしまうのだ。すぐに俯瞰していた山道を降り、この信砂の集落から道道94号線で内陸へ向かう。標高300mほどの山越えもあるのだが、走り始めてすぐに、下界ではまだまだだった紅葉が色づき始めた。進めば進むほど紅葉は増々黄金の輝きを増していき、今日の快晴の空に映え、まるで絵画の中にいるような美しい風景の中を走っていた。「バイクで走ったら最高だろうな・・・」とウインドウを全開にしてひと時の幸せを味わっているうちに山を越え、列車到着の20分前に新十津川駅に到着した。昨年まで一日3往復、日本一少ない本数を誇っていた札沼線末端区間はついに朝の1便を残すのみなってしまっていた。もうこうなれば住民の足というより、割り切ってこの日本一早い終列車としての観光価値だけで残すつもりなのか、どっちにしろ先は長くなさそうだ。しばらく駅風景を撮影していると、方々から一日一回のイベント?を見物するため人々が集まり、淋しいはずの終着駅が少し賑わいを見せてきた。

 列車到着前、どこからともなく先生に連れられた幼稚園児の集団が駅にやってきた。そして9:28。本来の利用者のようにまともな乗客が誰一人乗っていないだろう5425Dが到着しドアが開き、カメラを持ったマニヤ諸氏が一斉に列車から降りると、園児たちは降りてきたその大きなお友達全員に手作りのカードを渡すのだった。どうやら毎日こうやって列車のお出迎えと見送りをやっているらしい。なんてこった・・・。マニヤだらけの駅が思わずホッコリした雰囲気に包まれてしまった。列車の折り返すまでの12分間。ひとしきり大きなお友達は列車や駅舎などを撮影しまくり、園児たちに見送られながら、また同じ列車に乗って帰って行った。
 そんな光景を見届けると、自分はまた留萌線午後の撮影をするため日本海側へ戻らなければならない。もう2時間ほど余裕があれば深名線跡地などを巡ることもできたのだが、いつになるか分からない次回の訪問のお楽しみ。しかしただ来た道を引き返すのも面白くないので、留萌本線山越え区間沿いに北上を開始した。そしてどうしても訪問したい駅があった。留萌本線の起点である内陸の深川駅と、日本海側の留萌駅の中間にあるサミットの「峠下駅」だ。今からさかのぼること21年前、深名線に向けて原付バイクで旅立った自分は新潟からのフェリーを小樽で降り、沿岸を北上、留萌本線沿いに深名線の起点であった深川を目指していたのだが、早朝の小樽から走り続け、最初の休憩場所に選んだのが、この峠下駅だった。当時は有人駅でタブレット交換をしており、休憩がてら買ったばかりの8mmビデオでそれを記録していた。あの駅はどうなっているんだろう。ビデオの映像を思い出しながら訪ねてみた。




ビデオのキャプチャから。深川行き上り列車が到着。タブレット交換。1995年8月




そして出発。乗降客はいなかったと記憶している。




そして2016年の峠下駅。峠を越えるバイパスも建設され、駅周辺に人の気配は全く無い。




駅舎内。いつしか自動化、そして無人化と辿り通票扱いも過去の話。




構内の様子だけが当時のままだった。

 感慨にふけっている場合ではない。少し時間が無くなりすぐに留萌市内へ。昨日、午後の一本目である4925Dを見事に失敗した国道オーバークロスに向かう。到着すると昨日の雲行きのハラハラはどこへやら、スコンと快晴の気持ちのいい日差しが順光で線路を照らしていた。「結構、結構!」 満足げに機材を準備していると、ふとこの景色、どこかで見たことのあるような軽いデジャブを覚えた。もしや・・・、この旅が終わったら確認してみようと、ひとまず4925Dを撮影。後日、自宅に帰り昔の写真を調べていると・・・、あった! 1992年8月、初めて買ったバイクで初めての北海道ツーリングの途中、確かにこの場所で列車を撮影していた。当時の記憶が写真を通じて24年ぶりによみがえった。この予期せぬ「時を超えた感」が、最近この頃増えてきた気がする。歳を取ったな・・・。




瀬越駅を出発し増毛へ向かう4925D。
2016.10/19   瀬越〜礼受   EOS5D 100-400mm




ツーリング主体とは言っても、要所要所でテツ活動も欠かさない。24年前の同地点
1992.8月   瀬越〜礼受   EOS630 35-105mm

 撮影後、取りあえず追っかけてみる。どこで追いついて撮影するかなど全く考えておらず、成り行きで探すことにしてみた。特に急いだわけではないが、阿分あたりで追い抜き、信砂駅進入を待ち構えることができた。撮影後、すぐに追っかけ。撮影するわけでなく、増毛にある有名ラーメン店で昼食のつもりだ。国道沿いにあるわけでもなくそれほど大きな町でないこの増毛町にあって来店する人が絶えないとは一体どんな一品なのか。到着すると昼飯時には遅いこの時間に結構な賑わい。運ばれてきた酒粕を使った味噌ラーメンを頂くと・・・・まさに絶品! 朝から日がな撮影通しだったので空きっ腹に染み渡る味噌味噌、そして味噌が最高だった。




2016.10/19   阿分〜信砂   EOS5D 100-400mm




「田中商店」さん  今度は名物の「えび塩ラーメン」を是非!

今日は自分にとっては最終日。その後はこの界隈で午後の2往復を撮影し終わると、昨日と同様、全力で紅い夕陽が日本海に沈もうとしてきた。




2016.10/19   信砂〜阿分   EOS5D 24-105mm




2016.10/19   阿分   EOS5D 24-105mm




2016.10/19   阿分〜信砂   EOS5D 24-105mm




2016.10/19   信砂〜阿分   EOS5D 100-400mm

 北海道の10月の太陽は15時を前にすると次第に赤みを増していき、日没直前には澄んだ大気でドラマティックな燃えるような光で周囲を包み込み、どこを見ても映画のワンシーンのような光景を浮かび上がらせた。そして最後の最後は、日本海と日没を真正面に望んだ瀬越駅を選んだのだった。








2016.10/19   瀬越   EOS5D 24-105mm

 いよいよ帰宅の途に就くことにする。時間の都合上、帰路は小樽から新潟行きのフェリー。10:30発であるので、今夜はこの辺で寝てから早朝小樽に向かえば間に合うのだが、思いのほか今日は気力が有り余っているような気がして、勢いこのまま日本海沿いに南下。浜益町で昨日入りそびれた風呂にありつき、もう少し進んだ旧厚田村の吹きっさらしの海沿いの高台の駐車場にクルマを停めて寝た。
 翌朝は小樽10:30のフェリーで新潟へ。また食っちゃ寝の生活で翌朝6時新潟港着。あとはもうただひたすらに北陸道を西進し福井に到着したのは14時過ぎだった。

 我ながらいい旅だった。滞在はたったの2日間だったが成果はともあれ充実した夏季休暇になった。この訪問から約1か月後の2016年12月4日。増毛駅を出発した5922Dの最終列車で留萌本線留萌〜増毛16.7kmは95年の長い歴史に終止符を打った。最終日当日は仕事が終わるとすぐに帰宅し、遅れて上がる現地のニュース映像をyoutubeで見ながら、ほんの1か月前の出来事に重ね合わせたのだった。

今回の旅の総走行距離  1259km