特急シンボル復活。183豊田車M51編成はやって来るのか!?

 珍しく日曜日が休みとなった。ヒマだったので最近、久しぶりに連絡を取るようになっていた学生時代の友人を誘ってツーリングでも行かね?と打診していたのだが、どうしてもその日は仲間たちの予定を合わせることが出来ず、独りで出かけることにした。せっかくの日曜日、そして天気は晴れということらしい・・・。ムム・・。最近ではほとんど見ることの無かった多客臨や団臨などの情報を見ると、前日のテンションや体調などから、可能範囲内にあるのは上毛電鉄のデキと、中央東線の豊田車189系くらいだった。この日の中央東線の189はホリ快富士山、かいじ180号、甲信エクスプレスの3つであり、つまり豊田に在籍するM50〜M52編成全てが稼働するというなかなか熱い日になる。そもすれば当然国鉄特急色を纏うM51編成も上記いずれかの臨時列車に入るわけであるので、今夏、特急シンボルが復活したM51に出会うため、明日の目的地はコチラ中央東線に決定した。
 ネットで最近の豊田車の運用状況をいくつかしらべてみると、9月以降はM52編成グレードアップ色が甲信エクスプレス、M50あずさ色がかいじ、そして国鉄色M51はホリデー快速富士山に充当される確立が高いようで、絶対とは言えないものの、ホリ快1本に絞って出かけることにした。

2015.10/25

 バイクに跨り午前7時前出発。目的地は、富士急内の撮影地を全く知らなかったので自然と上野原〜大月間に決定。対象列車は午前中に西進する便なので逆光ではないところを探すことになる。東名から圏央道へ。日曜日ということもあり郊外へ向かう多くのツーリングの集団に出くわす。ほとんどのバイクは荷物の積載量から日帰り圏内と分かるが、スーパースポーツからアメリカンまで多種多様なマスツーリング集団を追い越したり追い越されたりしているうち、まだ出発から1時間も経っていないが、圏央厚木PAで最初の休憩のためにピットインすることにした。すると30台以上のバイクが待ち合わせのためか複数のグループで待機していた。自分はスクーターなのでその一団の近くに停めるのは格の違いというか、何か遠慮めいたものを感じてしまったので、独り少し離れた駐車スペースでサイドスタンドを出した。喫煙所で一服を終え戻ってくると、4.5名の他グループのライダーが自分のバイクを囲んでいた。この集団の中で唯一の250cc。しかもスクーター。別に引け目を感じているわけでも全くないが、彼らにしてみればこのチンチクリンな所詮ガキが乗るようなバイクが物珍しいに違いない、と妙に卑屈になりながらも恐る恐る自分のバイクに戻ってきた。当然話かけられた。「今日はどこへ行くんですか!?」「独りですか!?」「同郷ですね!?」 今まで経験してきたツーリング先で知り合うライダーに話しかけることベスト10くらいの、ありきたりな会話であったが、なんだか彼らのテンションとフレンドリーさがとても心地よく、また同じライダーとしての自覚を思い起こさせてくれる出来事だった。彼らはやがて「寒いけどお気をつけて!」と笑顔で先に出発していった。最初の自分の中の卑屈さはなんだったんだろう? 尊重してくれて同じバイク仲間に引き入れてくれたことに一瞬で心が晴れやかになった。ありがとう! 
 そんなこんなで晴れやかになった気分で中央高速に入るとすぐに渋滞につかまった。談合坂から続く10km程度の渋滞。時間はまだまだ余裕があったのですり抜けはせずにノロノロ運転のまま上野原ICで降りる。早速撮影場所探しだ。自分が知る限りのこの区間の撮影地を全て見て回ったり、また新たな場所を開拓しようと機動性を活かして脇道に入りまくる。今日はどうしても復活した特急シンボルマーク、HM、あと秋の風情、これだけが外せないテーマであったのだが、どうしても極度の逆光になってしまうところばかりで、アレだけあった時間もリミットに近づいてきた。仕方なく四方津駅西方の鉄橋を煽りで捉えようと最終決定をしたのだが、ふと上方を見ると鉄橋の袂のトンネルポータルの上に抜ける階段を発見。おそらく保線用のものだとは思うが、何も咎めるようなことも書いていなかったので、早速上ってみることにした。見渡すと紅葉はイマイチで光線もかなりサイド気味になるし側面は全く入らないし、で選択の結果としては間違いだったのだが、もう移動の時間はなくなっていた。


2015.10/25   四方津〜梁川   EOS5D 24-105mm

 ひとまず狙い通りM51で一安心した。まだ時刻は9:30。このM51の返しである「ホリ快富士山2号」は河口湖発16:00なのでだいぶ時間が空いてしまった。どうやって今から6時間ヒマを潰していればいいのか、と考え始めた時に、今年の6月、1回だけの訪問で終わってしまった唯一のスカ色を堅持する115系C1編成にターゲットを変えてみようと思いついた。でも今日はC1の情報はおろか、時刻表すらも持ってきていなかったので、このトンネルの上でスマホをいじりながら10分。今日の目撃情報、運用表、時刻表の3つをブックマークに登録した。それによると今朝、C1は松本に向かっており、このままの流れからすると午後に436Mで上京してくるらしい。せっかく甲府以西に行っていることだしちょっと足を伸ばして高原の雰囲気で撮れる韮崎〜小淵沢間まで行って見ることにした。大月から高速に乗り甲府盆地を通り過ぎると、正面に南アルプスの山々が間近に迫って見えてきた。今までここを何回も通ったことはあるけれど、ここまで明瞭に姿を見たことは無かった。裾野から山頂まで全ての山々を見渡せる。山岳シロウトの自分にとってその頂の名称を知っているのは恐らく数える程度だが、北岳や甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、そして少し右に目をやれば今日のターゲットの一つである八ヶ岳。まるでリアルな地図の中にいるような気分で爽快だった。韮崎で高速を降り、一般道で標高を稼ぐ。どこをどう撮っても感動的な画になる風景の中、中央本線沿いに走りながらロケハンを重ねているうちに長坂のとある撮影地に到着してしまった。荒々しい八ヶ岳の山容は手前の森に隠れてしまって半分程度見えるくらいだが、ここで436Mを待ち構えることにした。踏切が鳴り、遠くのカーブから姿を現したのは・・・、どうしたことかスカ色のC1編成ではなかった。




2015.10/25   小淵沢〜長坂   EOS5D 24-105mm

 撮影の一連の作業を終えた後、撤収する前に情報確認。するとあの四方津のトンネルポータルの上で調べた携帯サイトの運用情報を1行見誤っていることにここで初めて気づくのだった。まぁ仕方ないので帰りがけに上りホリ快でも撮影しながら、と考えていたが、朝出発してからろくな物を食べていなかったので韮崎市内の激混みラーメン屋で昼食を取るともう動くのも億劫になり、ホリ快は撮らず、結局甲府市内のインターから高速に乗り、80km/h程度のダラダラ運転で撤収を決めたのだった。