北越 2015年2月編

2015.2/16

 今日の仕事中、ふと気になって485系の運用と新潟の天気を調べてみると、T18とK1編成が数日前から回っている北越運用に順調に今日も入っているらしく、特に今夜はT18が金沢、K1が直江津滞泊になりそうなので、新潟滞泊の時とは違い、明日は確実に両編成が新潟に戻ってくることが分かった。また新潟地方の天候も朝見た時の「曇り」からいつのまにか「晴れ時々曇り」の予報に変わっている。休みの前日は運用と天候を毎回チェックしているのだが、今回ついに合致し、北越廃止までついに1ヶ月を切った今日、出発を決め順調に関越道を北上していた。明日の朝イチは直江津からのK1編成「おはよう信越」。しかし今日の目的地付近である柏崎〜長岡間の通過時刻は7時頃なので、今日早朝からの勤務だった自分は到底睡魔に勝つことは出来ないだろうと、午後のT18編成「北越3号」からの撮影に決めていたため、特に急ぐわけでもなく経済速度で国境越えの登り坂に入ると下牧PAから先がチェーン規制になっていた。PA内に誘導され一時停止し、全車装着タイヤを係員に確認されるという本気ぶりだが、路面の雪は峠を越えてもほとんど無く、眠気を感じてきたので石打SAで仮眠することにした。

 寒さであまり熟睡することができないまま、6時頃起床。今日の一発目のターゲットである北越3号までかなり時間があったので、ヒマつぶしに只見線の小出〜只見を往復できる良い感じの時間の列車があるので乗ってみようと小出駅に向かってみると、「除雪のため本日の只見線は運休」とのお知らせがあった。チェーン規制にしろ降雪は昨日までがすごかったのか。結局潰せなかった時間を潰そうと越後川口の道の駅にクルマを停めてまた昼寝。すると1時間ほどしたであろうか、暑さで目が覚めた。外は快晴。ついにあの場所でやってやるためにこの日を待ち望んでいた! 思い立つとすぐに内陸をショートカットして柏崎に移動、まずは最近毎回訪れている鯨波のラーメン屋でニンニクマシマシのコッテリラーメンで少し早い昼飯を食った後、市街に戻り安田駅近くのコメリに入場した。米坂線に通っていた頃使っていたカンジキがどこかに行ってしまったためそれを調達するのだ。店内を探す。しかし除雪コーナーにも靴売り場にもどこにもカンジキは無く、忙しそうに品出しをしていた店員さんを呼び止めて聞いてみると「売り切れ」とのこと。諦めて店を出ようとするとレジ前のワゴンに冬物処分コーナーがあり、そこにはスパイク付きのゴム長靴が¥1000で売られていたので迷わず購入。すぐに長鳥に向かった。これからのプランでは長鳥でT18「北越3号」を迎撃。すぐに峠を越えて反対側にある塚山俯瞰に登り、1時間後にやって来るK1の6号を撮る目論見だ。しかし長鳥の撮影地に近づくとなんと峠は災害のため12月から通行止めとのこと! これでは長鳥で3号を撮っていたのでは間に合わない。すぐに小国町経由で大迂回して塚山に戻ってくると、本格的に時間が無くなってきてしまった。だがその前に俯瞰の登り口の確認をしておかなければならない。除雪で道路に積み上げられた雪で、前回秋に訪問した時とは景色が一変しており、どうにも入り口が分からなくなっている。カーナビを見ながら何度か疑わしき場所を往復してみたが結局分からず、ルート検索は後回しにすることにして3号をかぶりつきでもなんでも撮影するため近くにクルマを停めた。するとクルマから降りると目の前の山の斜面には登攀の踏み跡が一直線に頂上を目指しているルートが開拓されているのがあった。夏場ならヤブで到底入り込むことが出来そうもなく、俯瞰ポイントまで山を裏側から回りこむルートが一般的になっているが、真冬ではここが登頂口であることを初めて知った。すぐに買ったばかりの長靴に履き替えその雪山にアタック開始。すると半分も登らないうちに3号の通過が迫ってきた。そもそも諦めていたが後追いで3号を待ってみることにした。


T18編成 北越3号  中途半端な塚山俯瞰。右のタイフォンカバーが開いているような・・・
2015.2/16   信越本線   塚山〜長鳥   EOS5D  100-400mm

 撮影後頂上のお立ち台を見上げると、すでに5人くらいの方が俯瞰撮影を楽しんでおられた。確か前回あそこに登った時、まともに障害物を入れないように撮影できるのは極限られたお立ち台だったような気がする。すでに今から行ってももう場所は無いだろう。あと1時間ここで過ごし本命の6号を狙おうか、と考えもしたが一応偵察に登ってみることにした。先人が付けてくれた踏み跡により思っていたより苦労することも無く尾根に到達することが出来た。やっぱり先ほどの中腹のポイントとは比べ物にならないスケール。しかし背後も谷なので遮るものが全く無く冷たい風が容赦なく吹き付ける。気になるポイントは意外にも積雪での枝のしなりや落葉で夏場の3倍ほどのキャパに変わっているのが幸いだった。早速セッティング開始。空は雲に完全に覆われているが、時折少し薄日が差す感じ。天気予報も午後のほうが晴れ間がのぞく確立が高いといっていたので信じてみよう。




露払いの普電。画面奥の駅周辺は晴れている。

2015.2/16   信越本線   塚山〜長鳥   EOS5D  100-400mm

 やがて通過時刻となり、遥か前方のトンネルから3つのヘッドライトが飛び出してくるのが見えた。期待していないが一応雲の様子を見ると、わずかな雲の切れ目に太陽が今まさにかからんとしている。急げ太陽。来るな485!と誰もが願ったのか、次第にスポットライトのような光が線路に移動して来た。神はいるのか!?




K1編成 北越6号
2015.2/16   信越本線   塚山〜長鳥   EOS5D  100-400mm

 かろうじて・・・かろうじて薄日が先頭部分に間に合った。これで達成といえるのかどうか悩ましい感じではあるが、一応目標が達成した。さて最後はT18「北越8号」である。さっき見送った時のままタイフォンが開きっ放しで多分やってくることだろう。近接戦ではなくこの場所から狙えば目立たないし、もしかしたら夕方は見事に晴れて当日中にリベンジを果たせるかもしれない。あと2時間ちょっとここで待ってみようかと思ったが、冷静に考えれば通過は16時過ぎ。当然今自分が立っているこの山で線路に光は回らないであろう。ヤマを降りて一人作戦会議。陽が出てくれればどこで撮っても画になるんだろうが、あの俯瞰でのスポットライトを最後にまた完全な曇り空になってしまった。他の場所をあたろうとクルマを長岡方面へ走らせると直線区間を行く線路を長玉で抜ける越後岩塚の林バックに到着した。しかしそこは車道から200mほど。雪原の上のアプローチ方法を考えていると、また人間が雪原へと踏み出す入り口を見つけた。テツだろう。今回もその足跡にお世話になってカブリつきまで容易に到達することが出来た。太陽はどうだ? 先ほどの塚山俯瞰と同じく雲の切れ間の絶妙な位置に太陽。あと数分で陽が差して来そうだったがどう見ても雲が動いている気がしない。待っている間、ヤキモキしながら空を仰ぎ見たりフォーカスを調整していることを繰り返していると、先ほどと同じように小さなスポットライトが画面奥からこちらに向かってくるのが分かった。今来い485、動くな太陽! さっきと反対の念を送りながら遠くから姿を現した485の姿をファインダーで捉えた。




T18編成 北越8号!

2015.2/16   信越本線   越後岩塚〜塚山   EOS5D  100-400mm

 見事!1両目だけを太陽が照らし、まさにスポットライトがクロハ481-1029のマスクを紅く染めた瞬間だった。タイフォンカバーは相変わらず開いたままだったが、もうそんなことはどうでもよく、満足して撤収することにした。本日2回の奇跡。これだからテツってやめられない。南越路ICから関越に乗り、すでに残り時間わずかな次回の作戦プランを練りながら首都圏を目指して爆走した。