ラストシーズン あいづライナー485代走を求めて

2015.1/22

 日付が変わり、宇都宮ICを過ぎると東北道はいよいよ那須高原へと続く登り勾配にかかる。本日目指すは磐越西線電化区間。今春「あいづライナー」の定期運転の終了が決まり、通常その任に就いている元東武直通車の定期検査時に代走する、485系仙台車A1+A2国鉄色の去就も危ういと思われるので、その代走運転3日目の今日を、2015年初撮りに決めたのだった。というよりは、もともとどこにも遠征する予定は無かったのだが、昨日仕事に出かける前、ふとネットで見た某駅のライブカメラの映像で偶然にも下記のような場面を見てしまったから、今日の出発を選んだというわけだ。



 雪の降りしきる会津若松駅に鎮座する国鉄色485系。山の向こうの目的地に旅立つまでの出発前の静かな緊張感。出勤まであまり時間が無かったが、あと5分で発車時刻ということもあって、しばらく時間が経つのを忘れ、この「あいづライナー」の出発を画面を通して見届けた。う~ん・・イイ! 代走はあと1週間ほど続くので早速明日の休み、出かけることにし、すぐにカメラのバッテリーを充電させ、仕事に向かった。

 そんなわけで仕事終わりの出発なので本日も時間があまり無く、目的地である会津地方の到着は午前2時前を目指して頑張って走ってきた。勢い出発を決めて出撃したので天気は二の次になってしまっていたが、途中PAでの休憩の際にようやく天気予報を調べてみると、「曇り、時々雨」・・・とのこと。晴れてたらガチに、そうでなかったらお出かけを楽しむのが最近の自分のスタイルなので、あまり気にせず、元はと言えばライブカメラの映像だけで出発を決めただけなので、「お出かけ」をメインに今回は磐西を楽しみたいと思う。

 東北道は勾配を登りきり、いよいよ下りに差し掛かると、いつもと違って眠気が全く感じられないほど無敵状態であることを今さらながら自覚した。このまま郡山JCTから磐越道をルートとして選んでいたのだが、何となく少し手前の白河ICで降りて一般国道で猪苗代湖へショートカットすることにした。高速では路肩の法面に少しばかりの雪があるだけだったが、国道294号は標高を稼ぐごとに本格的な圧雪路に変わってきた。しかし思いの他気温は高く、路面の雪も少し溶け出しており、少し走りやすくなった反面、明日の撮影では高速で通過する485の舞い上げる雪煙は期待できそうにもない。ま、そんなこんなで更科オメガ近くの道の駅「ばんだい」に到着すると、時刻も2時を過ぎており、あれだけ無敵状態であったのに、到着すると目覚ましも掛けずすぐに爆睡してしまった。

 翌朝、ハッと我に還って目が覚めると、一発目の「あいづライナー2号」が若松を出発する20分前だった。いくら通い慣れた磐越西線とは言え撮影地など全く決めていなかったので、とにかく時間稼ぎのため郡山方面へと移動しながら考え始めた。以前東北大震災の時、迂回貨物を撮った場所を思い出し、とある現場到着。車を棄て線路脇から望遠で狙おうとすると、100m先にすでに同業者の姿がある。どうしてもここからではその先客がファインダーに入ってしまうので、仕方なく彼のすぐ近くまで雪原を人間ラッセルして進むことにする。一歩ごとにヒザまで雪に埋もれながら100mを汗びっしょりになりながらも何とか到着し、通過5分前にスタンバイ完了となった。天気は雨は降っていないものの重苦しい雲が立ち込めているが、昨日の思いつきでここまでやって来れたことに幸せを少し感じていた。




2015.1/22   磐越西線   翁島~猪苗代   EOS5D  100-400mm

 作品としては少しもオモシロく無い写真であるが、一応目的は果たせたのでなぜかかなり満足だった。再び線路脇の雪原をズボッズボッと埋まりながらクルマまで戻ってきた。さて次は「1号」であるが少し時間が出来てしまったため、何度もその前を通ったことはあったが全く興味が無く素通りばかりしてきた野口英世記念館にでも本気で行ってやろうと考えもした。でも時間が余ったときは何といってもロケハンである。クルマを移動させては降りて確認をひたすら繰り返し、線路脇に積み上げられた5mほどの雪山に遭遇した。登ってみるとどうってことない直線を見渡せるお立ち台だったが、冬季限定ということもあり、そのプチ雪山の頂から線路を臨み来たる「1号」を待った。遠望、接近とフォーカスを変えて2発狙ってみようと思う。しかしそういえば最近EOSのAFの調子が悪く、置きピンをしてみてもかなり奥に焦準が合ってしまい、最近は専らMFでやっているのだが、もともと自分はかなり視力が悪く、よっぽどの光量が無ければピントの自信が無いわけで瞬時に肉眼でフォーカスを変えるために何度もシュミレーションをして遠くから現れる485を待った。






2015.1/22   磐越西線   関都~川桁   EOS5D  100-400mm

 タイフォン! なんということでしょう! 固着しているのかバカになっているのか、だらしなーくカバーを片側だけ開いて通過していきましたよ! 野口博士! 幸いピントはジャストで捉えることができたがどうにもスッキリしない感じでその小さな雪山を降りたのだった。機材をしまいメシでも喰いに行こうと出発準備をしていると、本格的な雨になってきた。気温もそんなに低くないので目の前でみるみる積雪が溶けていくのが分かる。あーどーしよーか。とりあえず次の「4号」まで3時間近くあるのでメシを喰ってからその時の状況で判断すればいいや、と上戸駅近くにある国道沿いのラーメン屋に向かった。ちょうど昼時だったので混み合う店内。大盛りラーメンと無料のキムチを大量に小皿によそり、テレビのニュースを見ながら携帯で午後のチェックしてみるも無情にも雨の予報は覆らなかった。仕方なく夕べ仮眠した道の駅に戻り1時間ほど昼寝。起きると小雨は降っているもの撮影は可能と判断し、ここからとても近いオメガのカーブをアウトから狙う撮影ポイントで最後の設営を開始した。




2015.1/22   磐越西線   東長原~磐梯町   EOS5D  100-400mm

 もし雨が降っていなかったら、この折り返しの「3号」も際どい光量の中、流しでもやってみようかと思っていたが、依然冷たい雨が降るばかりで、どうしてもこの天候の中頑張ろうという気がしなくなってきた。列車通過後のんびりと一服しながら撤収。帰路のために郡山方へ車を走らせていると、オメガカーブで遠回りしていた先ほどの「4号」と翁島付近で並走始め、もしや猪苗代の停車で抜いてもう一発!?と頑張ってみようかと思い始めたが、直線区間で怒涛の加速で485は遠ざかり、そのまま自分は郡山ICから東北道に乗って帰ってきたのだった。


 ところでこの訪問から数日後、こんな記事がネットニュースに掲載されていたのを発見し、関都のプチ雪山で撮影した写真を思い出した。自分からすれば正直、「そこまでする!?」と信じ難い内容だが、これを一般人、世間様が見ると、「テツってそこまでするんだな~」という論調になるのだろう。でも接着剤じゃなくてヒンジに556とか吹いてやればいいのに・・・と思ってしまった自分はこれでも少し異常なんだろうか・・・?


画像投稿:「JR車両にいたずら」 福島・警笛に接着
毎日新聞 2015年01月29日 07時30分
福島県のJR磐越西線・郡山駅(郡山市)−会津若松駅(会津若松市)を結ぶ快速「あいづライナー」(6両編成)の警笛装置(タイフォン)のカバーに接着剤を塗ったような跡があったことが、JR東日本福島支店への取材で分かった。運行に支障はなかったが、インターネット上に24日、郡山駅でタイフォンに細工する人物を撮影した画像が投稿されており、同支店は「安全を脅かす行為で許されない」と経緯を調べている。
 同支店によると、25日午前7時半ごろ、会津若松駅で車両の点検をしていた職員が、先頭車両の外側に取り付けられているタイフォンのカバーの周りに接着剤の跡を発見した。タイフォンは運転席で操作し、警笛を鳴らす際に外側のカバーを開いて響かせる。24日は最終便まで警笛の使用に異常なかったことが確認されており、いつ塗られたものかは不明という。ツイッター上では、24〜25日、郡山駅でタイフォンのカバーに細工するような人物を写した画像のほか、細工したとされる人物がカバーが開いた状態を「ダサい」とし、「作業員にいいって言われた」などと弁明する内容も投稿された。同支店は「職員が許可することは断じてあり得ない」としている。あいづライナーは国鉄時代の塗装の車両が臨時走行中で、一部鉄道ファンに人気という

おいおい・・・