地元で原色ロクヨンを頂いてしまおう!

2015.12/18

 とある休みの日の前日。12月になって初めて丸一日休暇が取れそうだったので、さっそくターゲットを選定することにした。予てからの課題である篠ノ井線のカッター車撮影を念頭に入れておいたのだが、しかしよくよく調べると運転時刻は当然早朝。一年で最も日が短いこのシーズンで撮影可能であるのは、帰路の松本到着寸前だけということが今さらだが分かったので次回に持ち越しすることにした。
 ところで、当日は夕方から昔の職場の忘年会もあるので近場で目標を達成したらサクっと帰りたい。ならば首都圏でお気軽で原色EFを狙うのが良かろうと早速運用調査を開始。まず6月に復活した際に撮ったきりのEF6627は本日稲沢にいる模様だが、ここに滞留してしまうと翌日の運用が全く読めないのでパス。もっとも上京しても早朝に東京タに到着する1086レなのでどっちみち不可だ。次にEF65はというと原色の2121号機が早朝倉賀野へ、そして午後遅くに帰ってくるというスジなので、一応キープ。最後に愛知機関区のEF64は・・・なんと1012号機が東海道を昼過ぎに下る3075レに入る可能性が濃厚とのこと。早速このロクヨンに決定した。

 翌日。せっかくの快晴なので順光でキチンと決めておきたい。西に下る3075レなので午後は場所を選ばずどこでも撮り放題と見た。撮影場所に選んだのは茅ヶ崎〜平塚にある松尾踏切。ここで撮影したことは未経験だが「ふじぶさ」終焉の時にこの周辺を何度もロケハンしたので偵察スミだ。しかしキャパが狭い場所と記憶しているので早めに行くことにし、通過1時間前に到着するよう自宅を出発した。国道1号のバイパスを走っていると、雲一つない青空に正面にドカンと冠雪した富士山。期待が高まる。途中の辻堂の松屋で早めの昼飯を喰らいさらに西進すると1時間弱で目的地、松尾踏切に到着した。するとそこには通過1時間以上前というのにすでに先客2名。軽く挨拶をして彼らの背後に三脚を立てた。太陽光はまさに絶好の角度。冬至に近いこの季節の午後の柔らかな赤みを帯びた光が軌道を照らしてくれている。しかし待っている間、手前の旅客線を行き来する普通電車の多さに閉口した。まぁ知ってのことでここにやって来たのだが、考えれば考えるほど最悪のシチュエーションが頭をよぎってしまう。もうこればかりは運任せ。どうにでもなれと思いながら一服した。通過20分前。ギャラリーは自分を最後に増えるわけでもなくまったりと時が過ぎてゆく。すると・・・油断していたためかいつものアレがやって来た。


「ウ○コしたい・・・」



 「もうなんだかなー!!」 さっきの牛カルビ定食が想定外の「圧」をかけてしまったらしい。これじゃぁ徒歩テツなんて無理じゃねーか・・・。もう自分は鉄道写真を安全に撮れない体になってしまったらしい。仕方なくセッティング済みのカメラを外して三脚に場所取りをさせたままバイクに跨り国道1号線に戻った。幸いすぐにコンビニが見つかり用だけをさせてもらい、即現場に戻るとさらに4名の方が増えていた。総勢7名。狭い踏切周辺に男たちが体を寄せ合ってじっとしていると、地元の人たちが好奇の目を向けてくる。そんな中、やがて踏切が鳴り、遠くから貨物線を何やら変な物体が近づいてきた。




2015.12/18   東海道線  茅ヶ崎〜平塚   EOS5D 100-400mm

 いつ見ても不気味な電車だが、一応485なので撮ってあげることにした。いよいよ3075レ通過まであと5分。するとテツがこれだけ密集してることに興味を持った地元のじいさんが話しかけてきた。「ナニが来るんかい?」 「もうすぐ昔の色をした古い機関車が貨物列車を牽いてきますよ」と自分。するとじいさんは「んじゃいいや」とチャリンコに乗って踏切を渡っていった。SLでも来ると思ったのだろうか。「1012号機も貴重な電機なんですよ・・・」とまでは言わなかったが、迫り来る通過時刻に綿密にピントを最終調整した。そしてやがてその時。待ちに待った国鉄色を纏うEF641012牽引の3075レが見参した。




2015.12/18   東海道線  茅ヶ崎〜平塚   EOS5D 100-400mm

 キ、キマッタ! ロクヨンカッコいい! 旅客線との間の、狙ったかのような位置にある草むらが目障りだが、幸いカブりという悲劇にならず、またフルコキであることも満足した。今日はいい酒が呑めそうだ。では撤収。