185系、海バック叶う。

2011.9/28

 暑い夏も終わり、時々涼やかな風も吹くようになった9月末。真夏には諦めていたあるテーマの撮影を決行する日が来たようである。一般的に言って8月、北海道から東北を除く日本全国の大体の地域は気温上昇に伴って湿度が高いのは常識である。まとわりつくような湿気によって、近撮ならよいが遠くだと水蒸気で霞んでしまう季節でもある。やはり望遠で遠くをドッカーンをやるなら湿度も下がる9月に限るもの。そこで、大切に取っておいた虎の子、「伊豆急線の富戸あたりにあるトラス橋で太平洋バックに行く185系斜めストライプ」を頂戴することにした。気になるのはいつものように、休み、運用、天候、そして今回は湿度も加わる。決行前夜。まずは天気予報確認。伊豆半島は夕方に曇り、その他は概ね晴れ。湿度は45%。これならいける。そして次に調べるのは最も大切な、斜めストライプA8編成の運用だ。明日は・・・どうも10時東京発の「踊り子107号」で下田に向かい、そのまま翌日まで滞泊という一発勝負の日になるとのこと。しかもその107号は現地通過時刻が正午ちょっと前なので恐らく逆光になるかもしれない。ここは午後の光線がいいのだ。でも次回の休みに運用、天候、湿度が好条件で重なるとは限らないので、近場でもあるし、もし失敗したら伊豆スカイラインでも攻め込んでツーリングに切り替えよう。と軽く準備をして明日に備えた。

 9時出発。東名から小田原厚木道路、通称「オダアツ」を西下する。予報通り天気はカラッと晴れていて、正面に富士山がクッキリと見て取れる。パーカーにジャケットがちょうど気持ちいいくらいの陽気で、多くのライダー達が箱根、伊豆方面へとステアリングを向けている。まさにツーリング日和! 一方覆面&白バイ天国の「オダアツ」では何台かの不幸なライダーもその餌食になっていた。合掌・・・。そんな中、自分は順調に小田原市内を通過し、海沿いの国道135号線を南下していると、大島や初島がクッキリと洋上に浮かんでいるのが見え、ますます撮影への期待が高まってきた。昔、北海道にツーリングで行った時、「クルマは年中快適だけど、バイク日和の日のツーリングの気持ちよさはクルマの快適さとは比べ物にならない」と悟ったのを思い出したが、今日はそんな日。快適なスピードで爽やかな潮風を浴びながら自宅を出て2時間半。ようやく目的地に到着した。国道から一瞬見える鉄橋とバックの相模灘。以前通りがかってチラ見したことはあったが、降りてじっくり見ると期待以上の場所であった。しっかし撮影スペースが狭過ぎる。歩道も無く断崖上に通された国道は、ちょうど撮影ポイントのところだけ道幅が心もとなくなっており、三脚を広げることはおろか、立ち止まることも許されないような場所だ。時折大型観光バスのミラーが頭上すれすれをかすめていく、決して長居したくない場所だった。しょうがなくガードレールを跨ぐように三脚とビデオカメラをセッティング。鉄橋の下に見える電柱と左右の木々の枝が入らないように構図を決め、しばらく経ったころ185系が鉄橋へと歩を進めて来たが音は遠すぎて聞こえない。背面すれすれに通過するクルマは完全に忘れて夢中で連写を開始した。




Blue! Blue! Blue!! そうだ、こんな情景が欲しかったんだ!
2011.9/28  伊豆急行  川奈〜富戸  EOS5D  100-400mm