熱き遠征の果てに。いつかやってみたかった羽越線日本海バックで583系

2010.5/2

 巷では今年のゴールデンウィークは5連休!!・・・らしいが自分には関係ない。しかしウチの会社の内規で6連勤以上禁止なので、前月末に休みを取っていなかったため、この5連休が幸いして連休中のどこかで休みを取っておかなければならなくなった。5月のシフトを組む際にダイヤ情報を吟味して狙いをつけていたのは、この5月2日。この日は午前中に東北本線では仙台車の583が帰区のため北上し、これと同日のほぼ同時刻に秋田車の583が、舞浜臨の返却回送として青森に向けて北上する。いろいろ熟考したが、この2つの583を一度に仕留めるのは距離的に不可能。ならば、となかなか行けない秋田車583一本狙いで出かけることにしよう。大腕を振って日曜日に休みを取ることにした。

 しかし休みにしたはいいものの、前日が早朝からの勤務なので退勤後、長距離を車で移動するのは毎度のことながら体力気力的にかなりシビれるものがあるので、公共交通機関で行くことにした。583の現地通過時刻は8時ころ。その時間に間に合うものといえば、夜行バスの「ドリーム鳥海」か、もしくは「あけぼの」しかない。前々日の4月30日。もう満席だろうと半ば諦めかけながら近所の駅のみどりの窓口に向かった。すると第一希望のドリーム鳥海は残席2で即ゲット。指定された席番は1列A席という最高のプレミアムシートだった。翌日、仕事を早めに切り上げ、夕方自宅で出発準備などをしていると、想像より体力に余裕があることに気付いてしまった。これなら今から深夜500kmの運転もなんとか出来そうな気がしてきた。バスのキャンセル料は¥100。GW期間中であるので高速通行料は国庫負担により¥1000+α。もうこれしかない。さっそくいつもの撮影道具を車に積み込み一昨日バス乗車券を買った近所のJRの駅で払い戻しする。手元に¥8670が帰って来た。これだけで往復の高速料金とガソリン代を払ってもお釣りがくる。我ながら賢い消費者だ。駅裏の首都高の入り口から湾岸に上がり、快調なペースを維持しつつ初走行の山形道に入って最初の名も無いパーキングエリアで初めての休憩をすることにした。

 おかげで3時間ほど仮眠でき、残雪残る峠越えの高速道未開通区間を一般道で抜け、再び山形道酒田区間へ。予報通り今日は晴れで昇ったばかりの朝日が眩しい。仮眠したとは言え時折やって来る睡魔に何度も気を失いそうになりながらも、ついに雑誌でしか見たことのない日本海バックのポイントに列車通過2時間前に到着することが出来た。先客は3名。線路際に近付くとまさに羽越線という紺碧の日本海が背後に開けていた。



海バックの田んぼという不思議な光景。ちょうど水張りを終え田起こしの真っ最中だった。



一本残った桜のと蒼い日本海が広がる名撮影地。長旅の疲れも吹っ飛んだ。
2010,5/2   羽越線  小砂川〜上浜   EOS5D  24-105mm


 そう、今日はこれだけで終了。この1枚の写真を残すためだけに500km以上の距離を必至こいてやって来たのだ。いつもながら我に返る瞬間である。最初はすぐに帰ろうかと思っていたが、この天気とまだ時間的に早いということもあって羽越線沿いに新潟まで行ってみることにした。GWのため観光客で混雑する国道7号線を南下。途中良くわからないが観光客で賑わっているただの砂浜に家族連れに交じってタコ焼きを買ったりして一般人の休日を謳歌する。しっかしどこも混んでいる。トイレに入るのに行列に並んだのは生涯初めての経験だった。やっぱり平日休みが一番・・・と思っているうちに以前から気になっていた府屋〜勝木のポイントに到着した。ここでも三脚に複数のカメラを取り付けたテツが一名。そんな重装備でなんかネタ的な列車でも通るのか?もしや485のT18かK編成が「いなほ」にでも入っているのか!?と勘繰りながら自分もその横で同じようにセッティングを開始した。やがて「いなほ1号」が10分遅れでやって来た。しかし期待を裏切って上沼垂色だった。




485は萌えるが上沼垂色はどうも・・・。T18が入った日に再訪しよう。
2010,5/2   羽越線  府屋〜勝木   EOS5D  24-105mm



羽越線の普通列車運用は新津のDCだったことを忘れてた。タラコは先頭ではなかったのが残念。
2010,5/2   羽越線  府屋〜勝木   EOS5D  24-105mm



さすが重要幹線。休日でも81牽引の貨物がやってきた。
2010,5/2   羽越線  府屋〜勝木   EOS5D  24-105mm


 結局ここには3時間ほどいてしまった。まだ13時過ぎだが明日の仕事のことも考えて帰ることにしよう。今からなら明るいうちに帰宅出来るだろう。・・・っていう考えが甘かった。関越で群馬に入り渋川の手前から40km以上大渋滞にドッぱまり、その渋滞の通過に3時間ほどかかるという。トイレに行きたくてもSAの入り口も大変なことになっており、本庄児玉ICで高速を降りてトイレを探そうと思ったが一般道も大渋滞。失禁寸前になりながらもようやく大惨事を回避して、再び渋滞で長大有料駐車場と化した関越に乗って、命からがら自宅にたどり着いた。2度とゴールデンウィークになど出かけない。と学習した遠征だった。