早秋のいろいろ 久留里線キハ30 福知山183 ついでにキハ181「はまかぜ」


2010.9/2


 休みの日。早起きしようとセットしておいた目覚ましが鳴ったのか鳴らなかったのか、起きると予定の3時間を過ぎた午前8時だった。昨日出勤前に通勤用の原付を洗車していると、なんだかとてもコイツが愛おしくなってきた。購入して1年。特に不具合もなく、不満も口にするわけでもなく、黙々とご主人さまを職場へと送り届ける数kmの道程。3回ほど丹沢へツーリング行った程度であったので、今度の休みはこの原付を初めてテツ撮影に使ってみようと思ったのだ。手ごろな距離で久留里線。ここなら朝イチのフェリーで久里浜から金谷に渡り、沿線で国鉄色キハ30を撮影し、最終の夕方の便で帰ってくれば有意義に一日過ごせそうだ。というわけで早朝出発を企んでいたが、時はすでに8時過ぎ。ビデオ、EOSともにスタンバイはしてあるので、このまま引きこもりの休日を過ごすのは勿体ないと、いつもの通りForzaで出かけることにした。ヴィーンとForzaでアクアラインをカッ飛ばし東京湾を渡り、1時間ほどで久留里線横田駅に到着した。特に時刻を調べてくるわけでもなく、ここで3本ほど列車を待ち国鉄色の運用を掴んでから行動すればいいだけのこと。閑散とした横田駅待合の列車時刻を見ると、どうも朝の運用が終わってしまい、2時間ほど列車は来ない様子。ならばいつもの俵田のラーメン屋に向かって朝食兼昼食を取ることにした。今日は京都の白味噌ラーメン。相変わらず旨い。

 ラーメン屋で満足して思わずアクアラインに乗って帰りそうになったが、天気は9月だというのに酷暑、そして快晴。まだ列車は一度も見ていないので目当ての国鉄色が来るかどうか分からないが、終点近くの亀山の直線で午後の第一便を撮って見ることにした。ヤブ蚊の猛攻を受けながら望遠で待ち構えていると、坂道を上がって姿を現したのはゼブラカラー久留里色のキハ37だった。構わず連写開始!




林間のわずかなスポットライトに照らされてやって来たキハ37。
2010,9/2  久留里線  上総松丘〜上総亀山  EOS5D  100-400mm


 残念。国鉄色ではなかった。このあと木更津からやって来る久留里折り返しを確認しようと久留里付近の踏切で待ち構えていると、木更津方にキハ3098が連結されている。早速折り返しを撮るべくあたふたと移動を開始した。

 移動中、バイクを運転しながら考えた。よくよく考えれば来週は夏休み。今日が休み前の最後の休日だ。なのにこんな呑気なことをしていていいのか?計画を立てなきゃ。このままの状態のforzaで旅立てるのか?そう思えば思うほど旅立ちの前にやることが多過ぎるようなきがしてきた。この折り返しをどこかでさっさと一枚やっつけてから帰ってバイクの整備に取り掛かろう。

 久留里折り返しは5分。あまり時間が無い。思い起こせば横田駅でのタブレット交換をまともに撮ったことが無かったので、横田駅構内外れの踏切で本日最後のカットを頂くことにした。







2010,9/2  久留里線  横田  EOS5D  100-400mm


 さて、帰る帰る。この木更津行きのタブレット受け渡し後、しばらく発車する気配が無かったので、先で待ち構えればもう一発撮れそうではあったが、今は帰路を急ぐのみ。すぐに木更津東ICから高速に乗り、アクアライン、首都高を経てそのまま近所のバイクパーツ店で必要備品を仕入れた。

少しでも興味のある方はコチラへ
(お前、撮りテツだろゴルァ!という方は飛ばしてどうぞ)

Forza長距離走行前の整備日誌

 そんなわけで4日経って出発当日になった。今回の旅の目的地はズバリ岡見貨物! ここから1000kmも離れた島根県なので現地までで1日、2、3日目で撮影、4日目帰還という大まかな計画を立てていた。特に地形図や通過時刻を調べなくとも何度か訪れたことのある撮影地。土地勘は少なからずあるつもりだった。しかし気になるのは数か月前どこかの記事で見た隔日運行だということ。2日間現地に滞在したとしても、一日は作戦タイムになってしまうようで、そのヒマ潰しの作戦を立てるためにネットやら時刻表を調べ始めた。最近にわかに存続が危ぶまれる三江線か、西日本単一色化でタラコになったキハ40を追おうか。どちらも捨てがたいな〜ニヤニヤ・・・をしていると我に返った。そうだそうだ、岡見貨物の運行状況だ。いくつかの岡見貨物に関するブログやHPを追っているうちに、どうやら現地ではとんでもないことになっているようだった。



「7月12日の大雨で橋脚流出などにより美祢線は現在も全線運休中」


重安から産出した石灰石を美祢線を通過して岡見に向けて輸送する岡見貨物は当然のことながら・・・


「長期運休中」


 ・・・とのこと。知らなかった。なんてこった。第一目的地がはかなく消えた。それより現地に行ってから知らされたら卒倒してしまうところであった。危ない危ない。この美祢線の長期運休、どうやら西日本は復旧の意思はあるようで、名松線を見限った東海とはエラい違いだ。ひとまず美祢線の全線復旧を祈って他の目的地を考えよう。
 まず思い浮かんだのは八戸線、五能線のタラコキハ40だった。「オレもついにキハ40を撮影するために遠征するようになってしまったか・・・」とシミジミしながら東日本秋田支社と盛岡支社のHPを確認する。これらのサイトには親切に毎日のタラコの運用が更新されている。予定日のタラコの動きは・・・ダメだ。検査のため運用無し、もしくは夕方のラッシュ運用のみでどうしても「ウマ」くない。また今度にしよう。
 次に、たまにはラグジュアリーな旅もしてみたいと思い釧路のタラコ40も視野に入れてみた。こちらも公式の運用サイトが存在する。今週はかなり熱い動きをするようだ。海沿いの湿原を行く国鉄型気動車、大農場を雄大なオメガループを描いて峠を越えるタラコ。すぐにいくつかの名撮影地が思い浮かんだ。北海道へバイクで向かうのには社会人となってしまった自分には時間が無さ過ぎる。飛行機+レンタカーか? いやもう少し往復に時間をかけても大丈夫そうだ。北斗星・カシオペア・あけぼの、そしてキハ283「スーパーおおぞら」。どんどん夢は膨らむ。そしてまた我に帰る。「いったいキハ40のためにいくら使うんだ?」 冷静に考えると10万近い出費になりそうだ。「ハァハァ・・大やけどするところだったぜぃ」 この案も却下した。


 出発時間はどんどん遅くなる。冷静に考えると北近畿地方が妥当だろう。国鉄色183の運用を調べ、乗ったことはあっても撮影は未知の地でもあったので、ネットでいろいろ検索をかける。国鉄色編成は西日本色のそれとは明確に運用は区分され、計画的に撮影できそうだ。ここに決定しよう。現地の予報を調べると明後日は台風の影響で雨。ならば大阪周辺にバイクを置いて、今年11月に引退するキハ181「はまかぜ」で一往復してみるのもいいかもしれない。しかし現在時刻は日付が変わる少し前であり、パソコンの前で一喜一憂していたのでかなりテンションは堕ちていた。「バイク、ダルいな・・・」 しばらく迷っていたが堅実に公共交通機関で行こう。すぐにネットで新大阪駅近くのレンタカーを押さえ、出発を明朝と決めた。


2010.9/7

 一番列車で新横浜に到着。東京発なら座れない可能性もあるので、横浜市民御用達の唯一の新横浜始発の「ひかり483号」の乗客となった。車内でキオスクで購入しておいた弁当を平らげ、小田原に着く間もなくすぐに深い眠りに着いた。



 全く目覚めることもなく新大阪進入の減速で気がついた。昨夜バイクで無理やり出発しても到底間に合わない時間だ。すぐに駅近くのレンタカー屋へ。24時間契約で書類を書き駐車場に向かう。今日の相棒は「なにわ」ナンバーのマツダ デミオ。鍵を受け取り全く土地勘のない大阪市内から新御堂筋で北上。中国道の池田ICを目指した。空模様は生憎の曇天。途中から全線無料となった舞鶴若狭自動車道を北上する。しばらく走り篠山口で降り、この天気ならと適当な直線を見つけて三脚を広げセッティングを開始した。



早切った。北近畿8号。
2010,9/7  福知山線  篠山口〜南矢代  EOS5D 24-105mm




コンパクトカーながらわりとしっかりした造りのデミオ号。


 どうしようもないくらいの曇り空だが、やはり国鉄特急色は美しい。窓下のラインや「ビッグX」とかいうステッカーは目をつぶっても、この色を見るとやはり闘志が沸く。さて次の撮影地は川代渓谷。篠山盆地に注ぎ込む前の篠山川の両岸が狭まり、急峻な地形を作り出している景勝地だ。大型車の通行量も多いものの道幅はかなり狭く、途中離合に何度も時間を取られながら線路を観察し、撮影ポイントを探す。なかなか良さげな川代渓谷であったが、何せ曇行きは怪しくなるばかりで、とうとう小雨が降り始めてしまった。2,3本ほど国鉄色183を撮りながらこの渓谷で撮影を楽しんだ。今日は天候はどうしようもないほどだが、秋には紅葉がさぞ美しかろうと時期をずらしての再訪を決めた。




2010,9/7  福知山線  下滝〜丹波大山  EOS5D 100-400mm




2010,9/7  福知山線  下滝〜丹波大山  EOS5D 100-400mm


 何本か183を撮っていると、ついに雨は本降りになってきた。渓谷を西に脱出し、小盆地にある加古川線の接続駅の谷川を過ぎると、少し晴れ間が見えてきた。沿線では収穫直前の稲穂がきれいだった。




北近畿9号。ようやく青空が見えてきた。
2010,9/7  福知山線  谷川〜柏原  EOS5D 24-105mm


 青空を見たのは、この北近畿9号を撮影した柏原付近だけで、少し移動するとまたぼんやりした天候になって来た。どこに行こうかと目的地も決めず沿線をダラダラ北上しているうちに福知山市街に入ってしまった。15時前だというのに真っ暗であるのでふとあったコンビニの駐車場で昼寝。日没で完全に暗くなった頃、福知山インターから高速に乗り南下し大阪に向かった。途中のSAで作戦タイム。明日以降の予定を考えることにした。明日の天気は今日と同じく「曇り時々雨」。あさっては「晴れ」。明日も撮影は思うように行かないだろうから、もう一度183を頂くにはあさってまで待った方がいいだろう。だったら明日は乗ってみよう!今年秋に引退するキハ181「はまかぜ」で往復してみることにした。このまま今夜大阪まで行き、レンタカーを返し一泊して翌朝の「はまかぜ」に乗るのが普通かもしれないが、宿泊代を浮かせクルマの中で寝るため24時間契約にしていた。SAの売店で職場への土産を買い、クルマに積もうとしたが、レンタカーを降りればただの「丸腰」なので、土産一式を宅急便で自宅に送付。安心して舞鶴若狭自動車道を南下した。この舞鶴若狭道、全線に渡って無料なので今後福知山線183撮影の時は大いに味方になってくれそうだ。吉川JCTから有料区間の中国道に入り、今日は西宮名塩SAで仮眠することにした。夕方からパラついていた雨はとうとう土砂降りになり、この時ばかりはバイクで無理して来なくて本当に良かったと思った。


2010.9/8


 なんとなく早めに目が覚めて6時頃起床。「はまかぜ」の大阪発が9:36なのでまだまだ余裕があるが、大阪市内の朝のラッシュが心配なので、まだ時間はあるが出発することにした。大阪市内中心部に向かう雨の新御堂筋は意外にも空いており、7時頃には新大阪の営業所に到着してしまった。デミオを返却し電車に一駅揺られ大阪へ。「はまかぜ」出発まで2時間以上あるので駅中の本屋で立ち読みをしたりホームのベンチでうたた寝をしていると、にわかに周囲が騒がしくなってきた。「はまかぜ」の案内放送に活気づきカメラ片手にホームを徘徊している、自分と「同じ目をした人」たちが大勢いることに気がついた。慌てて自由席の乗車口に並ぼうと急ぐとすぐ横の新快速乗車口には大勢の行列が出来ていたが、「はまかぜ」は自分一人。周辺を見ると明らかに乗客より撮りテツの数の方が多い。これが現実だ。

 ひっきりなしにやって来る新快速の合間を縫って轟音とともにキハ181が登場。奇妙な西日本色で汚されてしまっているが、やはり181の存在感は格別で、他のステンレスやアルミの軽量電車の中に混じると一際威圧感がある。ドアが開き車内に入るとかなりくたびれた感のある設備で、近年の特急列車に乗りなれた一般人にとっては「ハズレ」の部類に入るのだろう。それでも最低限の「特急車両」としての面目は保っているようで、自分は、遠い昔乗った14系客車を思い起こされて、列車に乗って遠くに行くという高揚感が収まらなかった。



アイドリングも勇ましく出発を待つ「はまかぜ1号」 これから日本海を目指し疾走する。
2010,9/8 東海道本線 大阪


何やらいろんなものが入ってそうな運転席後ろのラジエーター。機能美ってヤツですか。
2010,9/8 東海道本線 大阪

 
やがて9:36、大阪を出発。ターミナル駅始発にありがちな重厚な助走などなく、すぐにMAXパワーで全力加速。車内はさすがに適度な防音が効いているが、その荒々しい鼓動は良く伝わって来る。後続の電車に追いつかれないように昭和40年代生まれのディーゼルカーは全力疾走を続けること1時間ほどで姫路到着。ここで進行方向が変わり播但線に入り気動車の持ち前を活かすようになる。山陽本線から線級は落ちたものの、そこそこ熱い走りを維持しながら終着、浜坂に到着した。浜坂は但馬地方の温泉が有名な小都市で、駅前も特に活気付いているわけでもなく、また浜坂温泉も何時間も特急列車に乗って来る人も多くないように見受けられ、近隣の城崎温泉と比べるといまいちメジャーではないようだ。ところでこの到着した1号は14分の整備ののち「はまかぜ4号」となって大阪へ折り返すため、すぐに大阪に帰るのはやめて少しのんびりしようと、その浜坂温泉に行ってみることにした。駅から徒歩10分くらいだったので駅のコインロッカーに重い撮影機材を預け、人通りの少ない駅前の商店街を抜けた。




かつてはどこにでもあったような地方都市の駅。




全く人気のない駅前商店街から駅を振り返る。




温泉に向かう道すがら。歩いている人をほとんど見かけなかった。




 少々迷いながら町営の温泉施設に到着。湯はサラッとした海水のような温泉で口に含むと少し苦かった。長湯は嫌いなので早々に風呂から出て、休憩室の畳の上で1時間ほど仮眠。素朴だが真冬に来たい温泉だった。駅に戻り大阪までの切符を購入。今度の大阪行きは少し戻った香住始発なので普通列車に30分ほど揺られ香住に到着すると、すでにキハ181が待機していた。








普通車車内。大型の窓にリクライニングが並ぶ。




キロ180 グリーン車車内。通路のカーペット、ひじ掛けのカバー、背ずりの高い椅子。国鉄のもてなしが感じられる。




懐かしのコック式の蛇口が残る洗面所。冷水機があれば完璧。




 んな訳で大阪に舞い戻って来た。一往復だったが「国鉄」を感じることができて非常に満足な旅程だった。実は「はまかぜ6号」乗車中、明日の天気予報を調べ、「晴れ」を確認出来たので、翌日はまたレンタカーを借りて福知山線181を撮影することにした。すでにレンタカーは予約済み。大阪の地下道を通り西梅田のレンタカー営業所に赴き、手続きをした。今回はダイハツ ムーヴ。軽で安いので少々お得だ。一昨日と同じく新御堂筋を北上。宝塚のラーメン屋で豪勢にラーメンライスを平らげた後、すぐに宝塚ICから乗り仮眠場所と決めておいた西紀SAに到着。今夜はここでマルヨだ。


2010.9/9


 翌朝、次のインターの春日ICで高速を降りる。調べたところ編成撮りに有名らしい丹波竹田の踏切に行ってみた。昨日とは打って変わって見事な快晴である。現場に到着するとほど良くカーブした長閑な田園地帯で朝露に濡れた稲穂がきらめき、気分良く、くわえタバコしながら三脚を広げて列車を待っていると、ここは通学路になっているようで、ヘルメット+ジャージ+チャリンコの中学生軍団が続々と通り過ぎて行き、その度にくわえタバコで汚い恰好の「キモさ全開」のオレに向かって「おはようございま〜す!!」と爽やかに声をかけ通り過ぎてゆく。しばらくはオレも「お、おはようござ・・・」などと返していたのだが、このギャップ、この背徳感に急に腹が痛くなってきた。通過まであと15分ほどだったが、急遽三脚を撤収。クルマに飛び乗り国道を数km走り、たまたまあったミニストップでトイレを借りた。用を足してすぐに舞い戻ると通学時間は終わったようで、急ぎながら再びセッティングをした。




北近畿6号
2010,9/9  福知山線  丹波竹田〜市島  EOS5D 24-105mm


 危うく逃すところだった国鉄色。現地入りして初めての好天なので今日一日の気合が漲ってきた。次は、一昨日の雨の中で行ったり来たりをした時見つけた谷川駅周辺で、稲穂の「はさがけ」を確認していたので、晴天の今日、バッツリと決めてみようと思う。線路の近くには古い神社もあり、境内から社を入れて撮ろうか、鳥居越しに流そうかチマチマ境内で怪しく小刻みに動いていたが、目当ての北近畿直前に通過したタンゴエクスプローラーでテスト撮影すると、どうにもスッキリ落ち着かない。神社は止めて少し田んぼに出てみると「はさがけ」バリバリ順光の光景に出くわすことが出来た。




2010,9/9  福知山線  谷川〜下滝  EOS5D 100-400mm




2010,9/9  福知山線  谷川〜下滝  EOS5D 24-105mm





こうして国鉄色同士の交換が一日数回見ることが出来るのは、ここ谷川ぐらいだろうか。ファインダー越しに熱い何かを感じてしまった。
2010,9/9  福知山線  谷川  EOS5D 100-400mm


 そんなわけで谷川駅周辺で愉しんだ後、一昨日、天候から不完全燃焼に終わってしまった川代渓谷に移動。午後はここでリベンジを果たしたいと思う。しかしこの川代渓谷、川を挟んで南側を線路、北側を道路が走っているため、深い渓谷の線路沿いに移動する手立てはなく、一日中逆光の道路側から撮影しなければならず、日照の長い季節でなければ編成全体に光が届くことは無いだろう。しかしながら4両の短い編成ではあるが、伝統の国鉄特急色をくねらせながら渓谷を行き交う183は美しく、紅葉の季節にはぜひまた再訪したい好撮影地だった。












いずれも 2010,9/9  福知山線  下滝〜丹波大山  EOS5D 100-400mm


 午後をまるまるこの川代渓谷の撮影に充て、16時を過ぎるとどこも陽が当らなくなってきてしまった。さてそろそろ帰るとしよう。このまますぐに大阪に戻りレンタカーを返却し新幹線に乗れば、今日中に自宅に戻ることはできるがそれはしたくなかった。大酒をなぜか呑みたい気分だった。結論、夜行バスで帰ることにした。今回の旅の浪費を反省して、今夜発の格安の青春ドリーム号を狙おう。にしても時間はまだまだあったので、一旦福知山市街に抜け、国道9号を南下。箕面市から大阪市街へと入るルートを選択。梅田のレンタカー屋にクルマを返却し、駅までの道すがら腹が減ったので松屋に入り、生姜焼き定食とビールを注文して、今回の旅の成功を一人乾杯した。生涯初の牛丼屋でビールだった。上限の2本と生姜焼き定食を食し、大阪駅へ向かう。少し酒も入ったので気分も良くなり、テナント全てが居酒屋という気合の入った4階建てのビルの2階のとある居酒屋チェーン店に入店。2時間ほど時間を潰す。仕事終わりのサラリーマンでごった返す店内にて、飯も食ったばかりだったので山盛りの枝豆を肴に、ひたすらジョッキを煽りまくる。バスの予約もまだだったので早めに店を出ることにした。会計は¥2200。ただただビールに1品だったので安い! 完全に酔っ払い、駅のみどりの窓口へ直行。第三希望まで紙に書いて窓口氏に渡すとどれも満席とのこと。仕方なく一番遅い青春ドリーム号が空いていたので発券を促し、バスターミナルでふらつきながら次々と発車する夜行バスを見ながら、さらに缶ビールで追いこみをかけた。ようやくやって来たドリーム号は4列シートの廉価バージョン。幸い隣人はいなかったので、2列を使いゆったりとくつろぎさらに祝杯を挙げてしまった。やがて出発。通い慣れた新御堂筋を走り始めると、すぐに深い眠りに就いてしまった。