上越線、秋の散歩道。

2009,11/20

 今月3度目の駒寄PAで仮眠して上越新幹線吾妻川橋梁に向かった。前回は200系国鉄色ことK47編成が来てくれたのはいいものの、曇天+雨というシチュエーションで見事、敗北写真館直行の駄作が産み出された。いつも思うのだが撮りたい被写体がまずあり、とりあえず目ぼしい情報を元に現地に行くとウヤか撮影場所選びに失敗して完敗、リベンジと称して2回目は目当ての列車は来ても天候が思わしくなく、3度目の正直でようやく成果を得られるというのが、私のパターンである。前回、前々回ともにまさにコレであり、今日こそはこの3度目なのでこのパターンからして勝利の確信があり、今日も上州の地を目指した。天気予報は?もちろん晴れ! ただし肝心のK47見たまま情報がこの数日更新されていなかった。多分運用には入っているものの特に今注目を集める編成ではないので、一般の書き込みは極端に少ない。とまぁ自分なりに数日前の情報を唯一の頼りに予想をつける。すると今朝の上越新幹線「とき305号」から運用を開始するっぽい。「ぽい」だけであって確証はないが朝イチから例の橋梁で2時間ほど5本待っていれば、東北新幹線含めた200系全運用の5/9を見ることができ、よほどついていない限りは国鉄色200系を確認することができる。ならば急ごう!吾妻川橋梁。

 現地に到着すると眩いばかりの紅葉と、昇り始めたばかりの美しい朝日の斜陽線。ん〜なんだか我が人生に残る傑作が産まれる予感・・・。紅葉の色づきもMAXだし決して失敗してはならないという心地よい緊張感に包まれながら、やって来た一本目は・・・リニューアルだった。2本目、違う。3本目は上りの後追いになるが、手前のトンネルから飛び出してきたのも・・またしてもグリーンのラインではなかった。続いては本命の4本目「とき305号」。轟音が谷間にこだまして姿を見せたのはっ! なんとリニューアル色だった。まさかまさか。そしてとうとう最後の5本目、これもK47ではなかった。終わった。本日上越新幹線に入る全運用を見送ってしまった。(ただし他にも高崎折返し運用も1本ある) なんともこの天気、この紅葉、絶対に今日この日、奪取したい相手だったがヤツは姿を見せなかった。

 とここで落ち込んでばかりもいられないので、移動を開始。せっかくのこの快晴と紅葉なので、もしK47に逢えなかったら上越線の115系も押さえておくつもりだった。こちらも湘南色を堅持している立派な国鉄色だからだ。まず目指したのは津久田の鉄橋だった。関東のネタテツには超有名な撮影地であることは言うまでもないが、自分はここを訪れたことがなかったので、ちょいと下見がてら115でも撮影しようと立ち寄ることにした。やがて心地よい木漏れ日の駅までの下り坂を駆け下り、津久田駅から数100mほどの鉄橋のたもとに立つと、「おお〜この景色見たことあるある」、というのが第一印象。列車の足もとまでスッキリと写し込むことができ、背景の木々の緑も絵になる。ただ残念なのが有名撮影地ゆえんのゴミの残骸や、テツが線路を渡った時に崩したバラストが散らばっており、JRもいい迷惑だろう。あと10分ほどで上りが来るのでそそくさと三脚を広げ、白いバズーカー砲を水上方に向けた。




陽の当たる南東斜面の紅葉はまだ物足りなかった。っていうか皆さんゴミは持って帰りましょうネ。
2009,11/20   上越線  津久田〜岩本  EOS5D  100-400mm


 ロケーション自体はなかなか良いぞ!上越線。他にも秋の風情を写し込める場所はないかと、ここ岩本〜津久田間を徹底的に調査。しかし時間は11時過ぎだし、今日の夕方から少し私用があったのであまり長居できない。あと2,3時間が限度だ。こういう短区間での撮影場所探しは小回りの効くバイクでの探索が最も効率がいいのだが、撮影地で早朝から行動する場合、現地マルヨは欠かせないので今日もクルマでの移動。昔知人が引っ越しの際に同型のコンパクトカーに原付を乗せていたのを思い出し、最近撮影地探索用に本当にクルマに通勤用の原付を積み込んでしまおうかと考えたこともあった。そうこうしているうち田んぼの真ん中に立つ神社を発見。昼時で誰もいない集落の片隅に立つ鳥居。その横には廃校なのか小さな小学校の校舎と校庭があった。今日は一応列車を撮りに来たのだが、なぜかいたくそこが気に入ってしまって、しばらくテツを忘れてまるで一般の健全なアマチュアカメラマンのように情景をスナップしていった。










 おっと、いけないいけない。こんな風情に浸っていたが、オレは撮りテツだった。本業を忘れかけていたことを思い出し、115を撮らねばならないと我に返るとあと5分で列車が来てしまう。焦っているうちに高らかなモーター音で115系がやって来てしまった。



本業はこっちだった。狭間で揺れていたので非常に中途半端。
2009,11/20   上越線  津久田〜岩本  EOS5D  24-105mm

 
 いよいよ帰らなければいけない時間になって来た。最後は以前から狙っていた渓谷へのトンネル飛び出しアングル。少し岩本方へクルマを走らせる。ここは狭い路肩の国道からシュートしなければならず、クルマを安全地帯に駐め、大型車が脇をすり抜ける車道の端を三脚を担ぎながら向かい、ギリギリ下の河原に落ちそうになりながらのセッティングを開始。やがて時間が来る。しかしかなり線路から離れている上、トンネルから何の前触れもなく列車が飛び出してくるのでシャッターチャンスは非常にシビアだ。すべての神経をトンネル坑口に集中。そしてファインダーを横切ったのは・・・107系だった。国鉄色ではないのでパス。次の列車は1時間後なので、撮影地のすぐ脇にあったラーメン屋で昼食タイム。遠征での撮影に高カロリーのラーメンは必須だ。さて腹も満たされもう一度恐怖の国道路肩を歩きカメラをセット。北向きの坑口なので一生陽が当たることはないと思われるが、日当とのコントラストがきれいかも。最後の115を撮ってすぐさま撤収することにした。




何気に気に入った1枚になった。EF64貨物なんか似合いそうな光景だが、陽の当たる時間にロクヨンは来ない。
2009,11/20   上越線  津久田〜岩本  EOS5D  100-400mm