(短編) ボンネット489。ふるさと雷鳥を撮る!
2009,5/6

 不思議な事に、触ると機械が壊れてしまうとか、ある場所に行くと必ず天気が悪いとかいうことが人にはある。相性というヤツだろう。それが自分にとっては多客臨の「ふるさと雷鳥」である。年末年始とゴールデンウィーク、そしてお盆の年3回運転される大阪〜新潟の臨時列車だが、波動用ではなく定期のボンネット489「能登編成」が間合いで長距離で運転されるため、非常に魅力的である。北陸本線〜信越本線と名だたる撮影地を通り抜ける489を撮らない手は無い。「はくたか」の臨時から撤退した今、昼間、時刻表で確実にボンネットを狙えるのはこの「ふるさと雷鳥」のチャンスしかなくなっており、このチャンスを頂くべく、数年前から運転日に合わせて出撃しているのだが、不思議な事になぜかいつも天候が悪い。かつて5回ほどはるばる遠征したが大雨、土砂降り、雷雨・・・。まともに撮影できたのは1回のみであった。今年こそは・・・。往復両日はさすがに休みが取れないので、立山バックが午後順光で撮れる、上り「ふるさと雷鳥」運転日の5月6日を事前に休みにしていた。

 深夜の中央高速を急ぐ。諏訪SAで仮眠したあと豊科ICに8時到着。時間もあったので大糸線でも少し撮ってみようかとフォッサマグナに沿って北上開始。先月、下見のつもりで確認しておいた根知駅の八重桜が運がよければまだ残っているだろうと、期待半分で到着したが、現地に着くと案の定、桜の花はすでに終わっていた。またもや眠くなってきたので根知駅前で仮眠。1時間ほど昼寝をした後、そろそろいい時間になってきたので富山に向けて出発することにした。しかし現在の糸魚川の天気は完全な曇り。目的地の富山も同様曇りの予報。東富山〜水橋の立山バックで狙うには空気の澄んだ晴れの日ではなければならないので、しばし悩んだ。回復の見込みもないし、これではせっかくのボンネットもただの編成写真になってしまう。立山バックを諦めるか・・・他にするか・・・。苦悶の後、山バックはまたの機会にすることにして有間川の海バックで今日は頂戴することにした。やがて現地に到着。有名ポイントなので、先客数名いることが予想されたが、全くの無人。場所は選び放題なのはいいのだが、空は依然曇り空。露出も上がらないので、しかたなくISO1000にしてボンネットを待った。




とうとう雨が降り出した中、489系通過。白幕がせめてもの救いだった。やっぱり「ふるさと雷鳥」と私は相性が良くないのかも・・。
2009,5/6   北陸本線  有間川〜谷浜   EOS5D  100-400mm