暴風雪警報発令中! 磐越西線583系と飯山線キハ58を無理矢理に撮る!
9221M。冬の583なら、雪の舞い上げがよく似合う。でも少々物足りなかった。
2009,12/19 磐越西線 関戸〜川桁 EOS5D 100-400mm
この583は次の次の猪苗代で客扱いをした後、すぐに帰区のために折り返してくる。その時間およそ30分間。それまでに撮影場所を決定しなければならない。こんな暗くて雪の降る中で・・。近くの線路沿いの道をうろうろしているとついに時間切れになってしまった。あわてて車からカメラを取り出し、鳴り始めた踏切の脇で広角で構えた。しかし待てども一向に583は現れない。するとしばらくして突如として音もなく583は姿をあらわした。降りたての雪に音を吸収されて全く気付かなかった。
カッツり正面撃ちのほうが着雪したマスクをカッコよく収められたのに・・・。無念。
2009,12/19 磐越西線 関戸〜猪苗代湖畔(臨) EOS5D 24-105mm
さてあまり長居してもいられないので、遠く200km離れた飯山線にすぐに向かうことした。あと5時間ある。高速と一般道で平均時速70km/hで移動しても3時間。でも雪道のことは全く考えていなかった。かなりおバカだが机上の計算では全てがうまく繋がるはずだった。磐越道に再び乗ったものはいいものの、圧雪となった道路は80km/hが限界。それに加えて除雪車が道をふさいで作業するものだから笑ってしまうほどに距離が稼げない。そして襲ってくる睡魔。ついに走り出して30分ほどで限界を感じ、阿賀野川SAで少し寝ることにした。この時点では往路の十日町行きにはすでに間に合わなく、仕方なく返し1本に絞ることにした。2時間ほど寝てしまい、目が覚めると雪は止んでいた。晴れ間ものぞき路面の雪は解け、巡航速度が気持ち上がる。新潟を通過、北陸道、関越道で再び内陸に入り、越後川口ICで降りる頃には、雪は本降りになっていた。とにかく凄いの一言。厳冬期の新潟には何度も行っているがここまで降られたことは初めてだ。こうなったら駅間での撮影は危険と判断して、大人しく駅撮りに徹することにしよう。越後岩沢駅に到着。普通列車は定時で運行されている模様だが、さっき行ってしまった列車から30分も経っていないにも拘わらず、道床、レールが完全に隠れてしまうほどの降り方だ。とにかくなるべくカメラを濡らさないよう首からかけたままジャケットの中に入れ、ホーム先端で通過を待つ。その間にも無防備な状態の自分に容赦なく雪は降り積もる。耳の穴の中まで雪が「ボフッボフッ」と音をたてて入って来るほどだ。つ、辛過ぎる。やがて乳白色の彼方から光の塊が近づいてきた。近づいて来てはいるが列車の音は聞こえず、「プ〜ン」という新津キハ58独特のタイフォンだけが聞こえてきた。その鳴らし方も異常なほどで、連発というよりも鳴らしっぱなしに近く、この視界ほぼゼロの中では前展を確保するのが難しい運転士が、とにかくもう列車が接近しているから、お前らどいてくれという叫びのようでもあった。
ピント合わない合わない・・・。驚くべきはこの状況でも定時運行だった。。
2009,12/19 飯山線 越後岩沢 EOS5D 100-400mm
聞く話によると、この後、この列車は終着までたどり着くことはできず、途中で運転打ち切りになったそうな。自分はというと駅前に駐めた車に逃げ帰るように戻り、カメラに水分を侵入させないようよく拭いてから乾燥させて、この飯山線を後にすることにした。今日は走行距離の割に一体収穫はどれだけのものであっただろう。雪中ドライブとしてはとても楽しいものだったが、新津のキハ58はこれでほぼ引退確実。思えば5年前、初めて訪れた米坂線で出会った美しい国鉄色キハ58。こいつとの永遠の別れはまともに直視できないほど大雪の中になってしまった。悲しいのか、いや、豪雪の中をたくましく進むその姿がキハ58にとって一番似合っているのかもしれない。ささやかな夢をありがとう。