国宝級、只見線ラッセル縦列駐車を見に行く!
2007,3,8

 前年の記録的なドカ雪とは違い、2007年の雪模様は平年を下回る降雪量だった。各地でスキー場はオフシーズンインを待たずに営業を終了したり、雪で食っている人たちはさぞ大変なことだったろう。自分は昨年、初めて排雪列車を撮影し、今年こそは特雪を!と秋頃から一人息巻いていたが、結局雪の少なさからラッセルはちょろちょろ運転されたものの、特雪は只見線と米坂線に1,2回づつくらい運転されただけだった(と思う)ため、2007年の雪レ撮影は諦めかけていた。そんな春を迎えかけた頃のある日、ふとTVのニュースで、今年最後の大寒波が日本海沿岸に接近するというのを見たその当日、偶然にもK1トップ氏から「あさって仕事が休みなんで新潟行かない?」と連絡が入った。「俺も休み。明日から新潟大雪らしい」と言うと、自然と只見線か米坂線に雪レを撮りにいくという流れになった。翌日はもう仕事は手に付かない。仕事前、休憩中、仕事後と職場のパソコンで新潟の天気図と降雪確立を逐一確認。その天気図が更新される度にK1トップ氏に連絡を入れる。新潟のライブカメラの映像を見ても、山間部ではモッサモッサと雪が降り続いているようだ。夕方仕事が終わり、東京北部のK1トップ氏宅へバイクで直行。まずは作戦会議。雪レの遭遇率が高く、この時間からでも行ける所となると只見線小出口、只見線会津若松口、米坂線が挙げられる。しかし集中力のないボクらは昔の写真などを見るなどして出発がどんどん遅れ、日付が変わった頃ようやく出発。彼の軽自動車に機材を積み替え東北道を北進。今回は二人とも拝んだことのない只見線若松口ラッセルの撮影にあいなった。



左が小出からのDD15、右が若松からのDE15。全国でもここだけのラッセル縦列駐車。
2007.3/8     只見線    只見    EOS5D  24-105mm

 写真が先になってしまったが、総延長135kmに及ぶ只見線はその多くの区間が大豪雪地帯であるため、降雪期にはほぼ全線で排雪作業が必要になってくる。そこでサミットに近い只見を境に、新潟県の小出側をDD15、福島県の会津若松側をDE15が除雪作業を担当している。いずれも一番列車の前に作業しなければならないので、互いに各駅を未明に出発し、午前6時頃、始点終点両側から排雪してきたラッセル同士がほぼ同時に只見に到着。この時間、営業列車がホームを使用するので、2機のラッセルが同線上で縦列駐車をする。小出側のDD15は比較的運転回数も多いが、若松側のDE15はそれに比べ極端に少ないので、両機が出会うことは年に数回しか見られないという。昨夜、会津若松の降雪の多さを確認し、若松ラッセルが出ると予想。この全国的にも珍しいラッセル縦列駐車を見ようということになり、遠路はるばるやってきた。まだ暗いうちに若松に到着。会津若松駅裏の機関庫を覗くと、常駐しているはずのDE15の姿はなく、只見線の作業に出発していることがわかり一安心。市内で給油し、食料補給したコンビニの駐車場で冬用のワイパーに交換。いざ山間へ。降雪は続いており市内でも積雪10cmほど。只見はいったい・・と期待が膨らむ。珍しくK1トップ氏が眠いと言うので自分がハンドルを握り、国道252号線をひたすら奥へ奥へ車を進ませる。しばらく走って空が少しずつ明るくなり、自分が今いる世界が分かってきた。車窓は轍も縁石も分からないくらいすべて白一色。変な恐怖感から興奮してしまい、妙ににテンションがあがり、助手席でいびきをかいているK1トップ氏をよそに、一人カラオケで「こなぁ〜ゆきぃ〜!!」とレミオロメンを熱唱しているうち只見到着。駅前の駐車場から構内を覗くと、2機の冬武装した赤いディーゼルが見つめ合っていた。僚友同士、労をねぎらうかのように静かにアイドリングを続けるラッセル両機。感動すら覚えた。入場券を買い駅構内へ。













いずれも只見駅。貸切状態で、もうナメ回すように撮りまくり。
2007.3/8     只見線    只見    EOS5D  24-105mm

 この後、小出に帰るDD15が先に出発するので少し移動し、雪の降り止まぬ築堤下の通学路で、小出に帰るDD15を待ち構えた。
 




小出に向けて出発するDD15。往路に作業してきたので、かく雪は少ない。
2007.3/8     只見線    只見〜田子倉    EOS5D  100-400mm

 今度は若松行きDE15の出発の時間が迫る。朝来た道を帰るが、雪も小康状態になってきたので運転しやすい。ゆっくりとロケハンする間もないので、車内から絵になりそうな場所を物色するが、なかなかいい場所がない。また要所の駅の大まかな通過時間しか分からないので、いつ来てもおかしくないギリギリのタイミングで探すので気は抜けず、結局有名撮影地の国道の路肩に三脚をセットし、すれすれに脇を通過する大型車にビビリながら遠くの汽笛を待った。




考えてみりゃ鉄橋に雪ってあんまり積もらない。派手な雪煙を期待してしまった。
2007.3/8     只見線    会津蒲生〜会津塩沢    EOS5D  100-400mm



もういっちょ。10コマ以上連写して、これが一番「ラッセルしている」カットだった。
2007.3/8     只見線    会津蒲生〜会津塩沢    EOS5D  100-400mm

 さらに追跡し、すぐに追い抜き会津川口の俯瞰できる橋の上へ。ここまで来ると朝の積雪は嘘のようで、ウイングを閉じたままDE15が駅構内に入線してくるのが遠目で見えた。




到着した会津川口折り返しの425Dと。来年は雪レとタブレット交換をモノにしたい。
2007.3/8     只見線    会津川口    EOS5D  100-400mm

  この先、会津川口からはラッセルが必要なほどの積雪はほとんどなく、ウイングを閉じたまま軽快に走るDE15を眺めながら塔寺付近まで追撃。まだ午前中だったので、猪苗代近辺で本年中に撤退する磐越西線の「あかべえ」455を撮影した後、行きと同じ磐越道、東北道で今冬最後の会津盆地に別れを告げた。