583「水戸観梅号」を迎撃!しかし事件発生!
2007,3,10

 ついにFORZAにETCを装備! 2年間のモニタ試験期間を終え、昨年11月から一般ユーザー向けにも二輪車用のETCが発売が開始された4ヵ月後。前々からETCは欲しいと思っていた。バイクに機材を積んで長距離を連続して走る俺。仕事終わりに真夜中の高速を走る機会が多いためETCなら深夜割引が利くし、また1秒を惜しむ追っかけの時、高速道路が併走していれば無停車決済による料金所ノンストップで、機動力は飛躍的にアップする。まさにバイク鉄のために満を持して解き放たれた二輪車用ETC。たまの日曜日なんぞに第3京浜を走って湘南近辺をウロウロして夕方に帰ってくるような軟弱なダビットソン一族のおもちゃではない。そうと決まれば早い。近所のラ○&ロー○に行って売り場の兄ちゃんに聞いてみた。「う〜ん、予約がいっぱいで入荷は6月末になりそうっスね」だって。そんな悠長なことを言っていられない。磨き上げられた純白のFORZAで料金所をノンストップで駆け抜け、華麗に撮影地に到着し、余裕の一服をしながら三脚をトランクから出しセッティングする自分の姿を妄想していたのに、GW明けになってしまうなんて・・。「んじゃいいっス」と捨ゼリフを残し、そのままの足で近くのホンダドリームの店に飛び込んだ。「ぼ、ぼ、僕バ、バ、バイク鉄なんですけどETCを一刻も早くく、く、ください」と店の主に伝えると在庫を調べてくれ、来週の始めには入荷するとのこと。さすが世界のHONDA。結局先述のラフロよりは1万円ほど高くなってしまったが迷うことなくその場で注文。翌週、一晩ドリーム店に預け、施工されたETCを観察すると、カードの入るメインユニットはタバコ2箱分くらいの大きさで左のコンソールBOX内部に設置され、モニタ時代、もっとも評判の悪かった強大なアンテナ部分は、チロルチョコ1個分位の大きさの黒い座布団のような物体が、マスタシリンダに共締めされた台座にチョコンと付いている。これだけ。早速ETCゲート初通過を試みたかったが、仕事のためしばらく二輪に乗る機会がなかった。 しばらくして3月のシフトを確認すると、第2週の土曜が休みだった。DJでネタ探し。おっ!? 毎年のことだが583の水戸観梅号がヒットする。日帰りにはもってこいの距離だし、ETCデビュー初日にはなかなか手頃ではないか。
 早朝起きだしいつもどおりに撮影機材をトランクに詰め込んだ後、ETCカードを本体にスロットインし自宅近くの首都高インターへ。行く手をふさぐバーが徐々に近づいてくる。開くか?開くか?2,3mくらいでようやくバーが開き、本線合流スロットル全開でベイブリッジに飛び出した。爽快・・・。これこれ。この感触。選ばれし者だけが通ることを許された紫のゾーン。バイクでやってるやつなんて未だに見たことない。へんな優越感に浸りながら湾岸東海料金所、三郷料金所も同様、華麗に通過し常磐道へ。途中守谷PAで飯を食ったりしながら自宅から2時間半ほどで水戸に到着。常磐線のお手軽撮影地として有名な偕楽園駅前の歩道橋には今日の583を撮ろうとする輩が、下の県道に落ちんばかりと鈴なりに撮影場所を確保していた。到着してから30分後、仙台からの583系「水戸観梅号」が目的地の偕楽園駅をいったん通過。



臨時駅のため下り線にしかホームのない偕楽園駅は、上り列車はいったん隣の赤塚で折り返し入線する。
2007.3/10     常磐線    偕楽園(臨)    EOS5D  24-105mm

 15分後にやってくる折り返しの583を撮る為に、群集は全員歩道橋の反対側へ一斉に移動。ベストポジションではなかったものの何とか編成全体を捉えられる位置を確保した。




曇天で梅が映えないが、ちょうど車が県道を走っていなくって助かった(一同同感)。
2007.3/10     常磐線    偕楽園(臨)    EOS5D  24-105mm



偕楽園停車中の583とボンネットバスの夢のコラボ実現。
2007.3/10     常磐線    偕楽園(臨)    EOS5D  24-105mm

 偕楽園で乗客を降ろした583はそのまま水戸方へ走り去り、勝田の電留線で午後の仙台行きまで昼寝。時間があるので市内の吉牛で牛すき鍋定食を食ってから、午後の列車までロケーションハンティング。地図で見当をつけておいた那珂川の橋梁のたもとの土手へ。足元はスッキリしないが順光で下り列車を捉えることができる。この土手にも30人ほどのテツたちが思い思いの場所で三脚を立てていた。




そういえばこの415もこの春置き換えだった。最後にもう一度国鉄色を纏って欲しかった。
2007.3/10     常磐線    水戸〜勝田    EOS5D  100-400mm



土曜も運転の安中貨物。本日のカマはパーイチ82、北斗星仕様はミーハーすぎてどうも・・・。
2007.3/10     常磐線    水戸〜勝田    EOS5D  100-400mm



勝田の昼寝から目覚めた583送り込み回送。本格的に曇ってしまった(泣)
2007.3/10     常磐線    水戸〜勝田    EOS5D  100-400mm

 この送り込み回9622Mを撮影後、返しの仙台行き9221Mの撮影場所を探しに移動しようとバイクに戻る。エンジンをスタートして動き出すと、フロントフェンダーあたりからタイヤの回転にあわせて「カツン、カツン」と物音が聞こえる。なんだべ?サイドスタンドをかけフロントを確認すると、なんとデッカイ釘が物の見事にフロントタイヤのサイドに深ブカと刺さっているではないか! まるで漫画のような刺さり方で、その突き出た釘がフェンダーのサイドに当たっていたのだ。完全に空気は抜けていないので、釘を踏んだときの常識として、抜かずにそのまま走行してバイク屋に持っていくのが懸命だが、これではフェンダーが壊れてしまう。では逆に押し込んで当たらないようにすればと、グイグイ指で釘を押してみたが、釘があまりにデカ過ぎて中のホイールに当たってしまい、どうしても5cmくらい出張ってしまう。2分ほどシンキングタイム。9221M通過まで約1時間。この間にバイク屋を呼ぶなり、市内に出てパンク修理セットを買って自分で修理をしいると撮影に間に合わない可能性がある。冷静に考えるとこのままバイクを放置してこの近辺で撮影し、その後修理したほうが妥当だろう。幸いHONDAのロードサービスに加入していたので電話連絡。パンクの件を伝えたあと「583の9221Mが14時55分ころ通過するので、15時頃来て頂きたいんですけどぉ〜」などと言える訳でもなく「ちょっと事情があり15時に・・」と省略した。すぐにロードサービスセンターから連絡の入ったであろう地元のレッカー屋から携帯に着信が入り「30分ほどしたら到着します!那珂川の河川敷ですね!」と力強いお言葉が。「あ、いや、ちょっと・・」と言う間もなく電話は切れ、本当に30分ピッタリにトラックが河川敷に降りてきてしまった。やばい。とりあえず降りてきたレッカー屋のおっさんに正直に事情を話し、先に市内のバイク屋に持っていってもらい、後から引き取りに伺うと言うと、「じゃぁ写真撮り終わるまで待ってるよ」とのこと。礼を言い、早速ここから徒歩圏内で撮影地を探す。河原に散りかけのやる気のない梅があったのでそれを絡めることにした。遠目ではおっさんがトラックの荷台にFORZAを縛りつけ終え一服しているのが見える。サボりたかったのかな?と思いながら、やがて通過時間。




緊縛状態のフォル。前輪パンクなんて生まれて初めてっす。



もうチョイ絞れば良かったかな?観梅号が観梅の図。
2007.3/10     常磐線    水戸〜勝田    EOS5D  100-400mm

レッカー屋のおっさんと一緒に583通過を見届け、「では行きますか」と促されトラックの助手席に。10分ほど走り水戸市内の線路際のバイク屋にピットイン。チューブレスなのであっという間に修理が完了。レッカー代はロードサービスなのでタダ。パンク修理¥1575を支払い薄暗くなった常磐道を南下した。