新潟北陸雪紀行
2006,2/22

 5日間の休暇をもらった。最初計画では3月改正で廃止となる「出雲」を撮影しようと山陰方面を計画していた。しかし撮影効率の悪さから山陰は諦め、今年まともに拝んでいない雪関係を今度こそ頂こうと新潟方面に切り替えた。5日もいれば1本くらいは・・という淡い期待を抱いて・・。 前日の仕事が深夜になってしまったため、昼間寝て夕方車で出発した。首都高で都内をパスし埼玉に入り国道17号をひたすら北上する。時間があったので一般道だ。国道は三国峠越えにかかり、猿ヶ京温泉付近から路肩に雪が残っていたが、1月頃の同地点の積雪と比べるとかなり少なくなっていた。気温3℃と暖かな峠を越え新潟県内に入り小出駅を目指す。午前3時頃小出に到着。大白川に向けて出発するラッセルが待機しているはずだが、アイドリングの音がするのみで、雪壁に遮られ構内が確認できない。居眠りしてしまい5時過ぎ目を覚ました。改札が開いていたので只見線ホームに降りると古兵DD15が大白川の巡回を終えて戻っていた。


夜明け前のホームに到着。只見線ラッセルDD15。
2006,2/22  上越線 小出 EOS5D 24-85mm

   
小出駅只見線ホーム寸景
2006,2/22  上越線 小出 EOS5D 24-85mm 
いまからでも高速乗り継ぎで米坂ラッセルに間に合うので、陽が昇る前に小出を後にして関越道に乗り米坂線に向かう。坂町からR113で内陸に入り最も雪深い宇津峠付近の跨線橋から線路を覗くときれいに段切りがされたばかりのようで、特雪は来ないもののラッセルを狙ってみる。


ウイングも閉じて軽やかに峠を駆け下りる。
2006,2/22  米坂線 手ノ子〜羽前沼沢 EOS5D 100-400mm
 道路の気温計は7℃を表示しているので非常に暖かい。気温も上がると当然雪崩の危険もあがる。国道は雪崩防止のため所々雪壁の切り崩し作業が至るところで進んでいたため、片側通行も多く追っかけは厳しいかに見えた。ダメもとでラッセルを追従し、国道から気軽に撮れる弁当沢俯瞰に到着。到着してカメラセッティングをするとすぐにやってきた。


ほぼ毎日のように設定されている「定排」221レ。おだやかな弁当沢。
2006,2/22  米坂線 伊佐領〜羽前沼沢 EOS5D 100-400mm


雪221レと小国で交換するべにばな2号3822Dには国鉄色58+28が就いていた。
2006,2/22  米坂線 羽前松岡〜伊佐領 EOS5D 24-85mm
 べにばな2号通過後、特雪通過時間になっても踏み切りは鳴らなかったのでやることがなくなってしまい、ドライブがてら会津川口に向かった。只見線会津坂下〜只見間が数日前から雪崩の危険性があるため運休になっており、会津川口にラッセルと一般気動車が閉じ込められてしまっている。それを見に行った。


只見川対岸から。キハとラッセルが縦列駐車。
2006,2/22  只見線  会津川口 EOS5D 100-400mm


春まだ遠い只見方を見つめる・・雪に阻まれたDE15は何思う?
2006,2/22  只見線  会津川口 EOS5D 100-400mm

この後、喜多方市内で博多ラーメンを食べ、長い大峠トンネルを抜け今日の寝床となる手ノ子駅へ。車で来てもわざわざ駅寝できるように今回は寝袋を持参してきた。

2006,2/23

 目覚めると雨だった。気力がなくなり近くの道の駅に移動し、マッタリとタバコをふかし時間をつぶす。ラッセル通過時間になったので手ノ子駅に移動しホームから今泉方にレンズを向けた。

降りしきる雨。みるみる雪壁が解ける中、今日も221レがやって来た。
2006,2/23  米坂線 手ノ子 EOS5D 100-400mm

しばらくラッセルを坂町方面へ追っかけをしていたが、雨はひどくなるばかり。雪も解け道床が見え始め冬の終わりを感じる。予報では明日も雨なので、米坂を離れ勢い疋田の485撮影に転戦することに決定。まだ午前中なので滋賀を目指してまた一般国道を走った。途中、運休の続く大糸北線に立ち寄り、雪崩警戒のラッセルが通っていないか線路状態を確認すると、線路は錆が剥けて鉄の地肌が見えており、何かしらの列車が近日中に通過しているようである。とりあえず再び西進。金沢で時間切れ。やむなく北陸道に乗り敦賀で降り、新疋田の駅前に車を停め寝た。


2006,2/24

 起きてすぐに峠を越え、以前より行ってみたかった湖西線マキノ〜永原間の撮影地に行ってみた。なるほど長編成の北陸特急が無理なく収まり、思っていた以上に雄大な場所だった。すでに先客が1人いて三脚を立てていた。浜松から来ているというその人としばらく鉄話をして上り日本海を待った。

  まずは日本海4号。この時間から線路に日が差す予定だったが翳った。
2006,2/24  湖西線 マキノ〜永原 EOS5D 100-400mm



雷鳥8号。大阪方非パノラマを狙いました。
2006,2/24  湖西線 マキノ〜永原 EOS5D 100-400mm



上写真の地点を俯瞰。さらに引けば琵琶湖が入るのだが車両が小さくなるのでこんなもんで。
2006,2/24  湖西線 マキノ〜永原 EOS5D 24-85mm

 その後、新疋田駅に移動する。こちらでもカメラを持った怪しい男性が数名たむろしており、時刻から上りトワイライトを待っているようだ。自分はトワイには興味がないので、皆と反対方向のトンネル飛び出しを狙うべく上り方にカメラを向けた。間もなく雷鳥9号が通過。しばらく時間が空いたので6年ぶりに訪れたこの駅を探索した。当時は新疋田を訪れる鉄向けに撮影地ガイドや周辺の写真集が駅に置いてあり楽しい駅寝をした思い出があるが、すべて荒らされて跡形もなくなっていた。


新疋田駅に移動。撮り鉄のためにあるような駅。飛び出しを狙った雷鳥9号。
2006,2/24  北陸本線  新疋田 EOS5D 100-400mm



雷鳥16号。中線を通過中。
2006,2/24  北陸本線  新疋田 EOS5D 100-400mm 

 この後、以前から気になっていた撮影地、牛ノ谷〜細呂木に行ってみた。駅間をウロウロして撮影ポイントを探しているうち、雷鳥17号通過時刻が迫りどうってことない直線で下図。


S字カーブの連続するこの区間だが、なかなか画にし辛い。
2006,2/24  北陸本線  牛ノ谷〜細呂木 EOS5D 100-400mm 

  
人気の消えた牛ノ谷駅。時折この駅に不似合いなサンダーバードが静寂を打ち破る。
2006,2/24  北陸本線  牛ノ谷 EOS5D 24-85mm

結局よさげなポイントを発見できないまま、芦原温泉周辺に移動。時刻表では非パノラマ先頭のはずの雷鳥23号がパノラマ車でやって来た。


「場内進行!」 パノラマだからこそ捕らえられたショット。
2006,2/24  北陸本線  芦原温泉〜 細呂木 EOS5D 100-400mm

この後県境を越え山中温泉の道の駅に併設された温泉でひと風呂入り、道の駅で保存されている元大井川鉄道、元々北陸鉄道の「しらさぎ」を撮影。またもや下道で富山を目指した。明日は富山港線撮影。現地の地形図は入手していたが線路際まで家屋が建て込んでおり、明日のために現地調査を敢行する。途中金沢でリッター¥111のガソリンの安さに肝を抜き、倶利伽羅を越え富山に着いたら22時をまわっていた。しばらく沿線の土地勘を身に付けるため深夜の住宅地を徘徊し、明日、急行「能登」で富山入りするおなじみK1トップ氏に報告メールを入れた。岩瀬浜や東岩瀬の木造駅舎と終車をバルブ撮影し、蓮町駅近くのサンクスの駐車場で仮眠。


2006,2/24  富山港線  東岩瀬 EOS5D 24-85mm



2006,2/24  富山港線  東岩瀬 EOS5D 24-85mm


2006,2/24  富山港線  岩瀬浜 EOS5D 24-85mm


2006,2/24  富山港線  岩瀬浜 EOS5D 24-85mm
2006,2/25

 翌日一番列車の前に起床し、東岩瀬駅に向かう。東の空が明るくなり始めた頃1121Mがやって来た。車内に能登から乗り継いできたK1トップ氏を確認。バルブ撮影後すぐに車を岩瀬浜に走らせ合流。JR最後の週末とあって、能登乗り継ぎと思われる同業の皆さんが大量に下車。その後,車は岩瀬浜に置き、岩瀬浜〜東岩瀬まで徒歩で移動しながら撮影を開始する。様々な情景を収めたかったが次々にやってくる475を全部撮ろうとするとかなり忙しい。撮影→撤収→移動を繰り返しながら東岩瀬に到着。



まだ夜も明けきらない東岩瀬にMGを轟かせて475国鉄急行色登場。
2006,2/25  富山港線  東岩瀬 EOS5D 24-85mm


雄山(立山)から朝日が顔を出した。
2006,2/25  富山港線  岩瀬浜〜競輪場前 EOS5D 100-400mm


今度は順光側から運河を渡る475.
2006,2/25  富山港線  岩瀬浜〜競輪場前 EOS5D 24-85mm


デカ目に陽が射しはじめた。あと4日でこの光景は伝説になってしまう。
2006,2/25  富山港線  岩瀬浜〜競輪場前 EOS5D 100-400mm


駅舎だけが時代に取り残された感のある東岩瀬。
2006,2/25  富山港線  東岩瀬 EOS5D 24-85mm
東岩瀬に到着し1129Mに乗り岩瀬浜へ戻ると、怪しい雰囲気の大学時代の先輩229氏が話しかけてきた。挨拶もそこそこに229氏を半ば強制的に拉致し、富山港線唯一の交換駅、城川原に475同士の交換を撮影すべく車で急行した。


国鉄急行色同士の並びが見られる城川原は大盛況。
2006,2/25  富山港線  城川原 EOS5D 100-400mm
 まだ午前中は3本撮影できる列車があるが、我々はすぐさま車に飛び乗り国道8号バイパスに乗る。目指すは大糸線。1月末より大雪のため運休中の大糸北線は、冬の終わりの近づいた現在、今度は小滝駅南方1kmにあるスノーシェッド付近で雪崩の危険が発生したため、春近い現在も運休が続いている。この雪崩の警戒のため連日のようにDD15が糸魚川〜南小谷を往復しているのだが、このラッセルを撮影するには富山港線の午前の何本かをあきらめなければならない。数十分毎にやってくる475は充分撮影したので、迷わず糸魚川に向かった。滑川から北陸道に入り糸魚川に着いたのはラッセル通過予定20分前だった。しかし今日もDD15がやってくるかは分からない。まずは一昨日線路に目印を付けておいた頸城大野近くの踏み切りに到着。運休中にも拘わらず目印は車輪の痕跡があった。昨日から「何か」がここを通過していることが分かる。頸城大野の駅に移動し、いつ来るやもしれないラッセルを待った。やがて先ほどの踏切が鳴り出し、ゆっくりとピンク色に色褪せたDD15が姿を現した。


頚城大野を通過中のDD15。雪9462レ。ずいぶん褪せちゃってまるでローピン仕様。
2006,2/25  大糸線  頸城大野 EOS5D 24-85mm


小滝からいよいよ雪深くなってくる。
2006,2/25  大糸線  小滝〜根知 EOS5D 24-85mm


ソロリソロリ超鈍足で警戒中。でも乗務員は命がけの仕事。
2006,2/25  大糸線  南小谷〜中土  EOS5D 100-400mm


南小谷で折り返してきた雪9463レ。
2006,2/25  大糸線  南小谷〜中土  EOS5D 100-400mm


遅いので追っかけもラクラク。
2006,2/25  大糸線  小滝〜根知  EOS5D 100-400mm


雨飾山をバックに進む。今日の線見ももうすぐ終わり。
2006,2/25  大糸線  頸城大野〜姫川  EOS5D 100-400mm
 その後、海沿いの一般国道を東進。直江津で229氏を解放し、われわれ2人は長野道、中央道経由で帰郷し、今回の車上生活は終了した。