DD53ばんえつ物語

待ちに待ったDD53ばんえつ物語号の撮影前日。最後まで車かバイクで行くか悩んでいた。掲示板などの情報から、初日の今日は磐越西線の各撮影地では数十人～百人規模のゲバ林になっているらしい。もともと１地点でじっくり作品を仕上げるという習性の無いオレにとっては、こういう激祭状態でも追っかけを敢行したい。ならば機動力を活かしてやっぱバイクしかないっしょ！　完全防寒。完璧に整備したバイクを家の前の道路に停め、暖気をしながらタバコを一服・・。この瞬間がサイコー。そして21：50分出発。計画としてはキハ58＋28、40ﾀﾗｺ、52の4連である「磐西只見ぐるり一周号」と、それの後続、約1時間半後の「DD53ばんえつ物語号」を早出川鉄橋で撮影、磐越道で追っかけ、DD53をもう1発撮り、只見線に移動してぐるりをそれぞれ追っかけ、小出に抜ける計画を立てた。迷うのが目的地である早出川近くの安田ICまでの経路。個人的には平坦な東北道より、峠越えのドラマがある関越が好きだ。関越道￥6150　　東北道￥7200　しかし寒くない峠越え＝プライスレス。結局、値段は高いが標高の低い（＝寒くない）東北道経由にした。しかし福島県に入った辺りから道路の温度計は2℃を指しており、気付けば寒さで足をつっていた。チョーさみー。猪苗代SAで2時間ほど仮眠し、ぐるり1時間前に早出川の「祭り会場」に到着。すでに100人ほどがびっしりと河原の土手を埋め尽くしスタンバっていた。

この河原には.50台ほど撮影隊の車が停まっていたが、なんと、ほとんどの車が追っかけを開始すべく動き出すではないか！！出口は2箇所。そこへ一斉に殺気立った鉄たちの車が殺到し、あっという間に現場はパニックに陥った。怒号とクラクションが鳴り交う中、ただ一人二輪の追っかけの自分は余裕で混乱を避け、安田ICへと走った。一気に車が集中してしまったため、インターへ向かう道路は大渋滞。その脇をすり抜けながら第1次先頭集団に躍り出た。約20ｋｍほど磐越道を走りDD53より先行。津川ICで降りた。以前から行ってみたかった群岡のポイントを目指したが、詳しい道順がイマイチ分からない。そこでインター近くの路肩に停車し先ほど安田で抜いた鉄車が通過するのを待った。ここを通過する鉄車は、どうせ平瀬か群岡か徳沢。後についていけば撮影地に連れて行ってくれる・・・はず。やがて３、4台の怪しい県外ナンバーの車がインターを降り、目を血走らせながら爆走していった。追撃開始。途中1台が逸れて行ったが、先行車についていくと案の定、群岡につれてきてくれた。感謝。ここも50人ほどがすでに待機。自分も群集から少しはなれたところに三脚を立てた。それにしてもいい天気だ。露出が上がる上がる↑↑。やがてホイッスルが山間にこだました。

DD53の追っかけはこれで終了。先行していったぐるりの追っかけにシフトする。西会津ICから1区間高速に乗り板下へ。すでにぐるりは行ってしまっているので並行する国道を只見方面へと急いだ。約15ｋｍ先の会津宮下付近でキハ4連をロックオン。宮下の16分停でぐるりをちぎり、只見線らしい俯瞰ポイントに5分早着。逆光だったが紅葉と渓谷が美しい絶景で、数名の非鉄一般人の方もカメラを構えていた。

　撮影後、さぁまた追撃開始だぁなどと調子こいてたら、出発時にバイクの転回をしくじり、右側にゴロリとバイクを倒してしまった。幸い土の地肌だったの目立つ傷はつかなかったが、こんな下手な転回をしてしまった自分が情けなく、恥ずかしく、もう生きていく価値も無いかのように思えて凹んだ。